「学費実質ゼロ」だけじゃない…大企業11社が100億円を投じた高専のすごい仕組み

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学費は実質無償の「神山まるごと高専」(写真:学校法人神山学園)
2月から3月、この時期には全国数多くの学校で受験が行なわれ、その合否が決まるが、わが子はもちろん、親戚の子、教え子など、身のまわりの未来ある子どもたちの行く末を気にかけることが多くなると共に、自分自身が受験に臨んだ時代に想いを巡らせる人も少なくないはずだ。
この記事では、四国は徳島県の山間の町にできた高等専門学校「神山まるごと高専」を取り上げる。この高専は、いわゆる「受験校」とは一線を画し、「学費は実質無償」という画期的仕組みも注目を浴びている。2023年開校後の入試倍率は10倍前後を示すほどの狭き門のようだが、大企業も参画するという、この高専の「ビジネスモデル」はいったいどんなものなのか。
先日、新刊『ビジネスモデル3.0図鑑』を出版した、図解総研代表・近藤哲朗氏に、神山まるごと高専の成り立ちと背景、その後の課題と対策への動きなどについて、近藤氏が提案している図解手法を用いながらわかりやすく解説してもらった。

新設の「高専」が画期的すぎた!

近年、日本の地方創生や人材育成の文脈において、地域の資源を活かした新しい教育モデルへの期待が高まっている。特に、少子化や都市部への人口流出により、地方で学びの場を確保し、地域から世界へと羽ばたく人材を育てることは喫緊の課題である。

こうした背景のもと、徳島県神山町に2023年4月に開校した私立の高等専門学校「神山まるごと高専」が大きな注目を集めている。高等専門学校(高専)は、実践的技術者の養成を目的とした5年制の高等教育機関だが、高専新設は19年ぶりのことだった。

神山まるごと高専が目指すのは「モノをつくる力で、コトを起こす人」の育成。言い換えるなら、単に知識や技能の習得だけでなく、それらを活用して「新たな価値を社会に実装する能力」を重視している。

同校の開校・運営は、さまざまな形の支援によって支えられている。クラウドファンディングによる資金調達、専門知識を無償提供するプロボノ参画、物品やサービスの寄付、授業提供など、個人や企業がさまざまな関わり方でパートナーとなっている。

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