愛のある「放置プレイ」が部下を育てる!? 「全責任は自分」という考えは捨てよう

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現場のスタッフは管理職に評価・査定され、それが給与や昇格・昇進に影響してきます。部下への評価がきちんとできていないと、現場の不平不満に繋がり、ひいてはスタッフのやる気の低下、チームの業績不振も起こります。『正しい目標管理の進め方』の著者・中嶋哲夫氏が、部下が納得し、仕事へのモチベーションを高める評価のコツをお教えします。今回が最終回です!

部下が思うように動いてくれない(泣)

営業4年目の佐藤君は中嶋先生と話して、すっきりした気分で仕事に戻っていきました。中嶋先生がカフェを出ると、佐藤君の上司・宇貝課長とばったり出くわしました。今度は宇貝課長のグチを聞くことになった中嶋先生です。

課長の悩み①:考えは伝えているのだが

宇貝:中嶋先輩、今、私は販売課長をやっています。業績は順調ですが、部下が思うように動いてくれないので、苦労してます。

中嶋:宇貝課長の考えは部下に伝わってるの?

宇貝:メールで伝えていますし、面談でもしつこいくらいに考えを伝えてますから、大丈夫なはずですが…。

中嶋:具体的に聞くよ。職場目標はどう決めてるの?

宇貝:部長としっかり打ち合わせて、完全に固めてから部下に説明しています。だから、部下は職場目標を前提に自分の仕事を考えることができます。

中嶋:担当はどう決めてるの?

宇貝:担当顧客の難しさの順に、能力のある担当者に割り振っています。佐藤君には難しい顧客ばかり担当させてますが、よくやってますよ。

中嶋:すべてを君が決めてるわけだね。

宇貝:いえいえ、個人ごとの目標は各人に決めさせています。でも課の目標は、責任者の私が決めます。

中嶋:それじゃ、部下は楽しくないだろうね。

宇貝:えー、なぜですか?

解説Ⅰ 間違った目標管理の進め
 宇貝課長のような管理職は、たくさんおられるはずです。職場目標や職務配分を管理者が決め、個人目標だけを担当者に決めさせる目標管理。これは間違えた目標管理の進め方です。

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