愛のある「放置プレイ」が部下を育てる!? 「全責任は自分」という考えは捨てよう

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また、職場に自分が役立つことを確認もでき、仕事も楽しくなるのです。その結果、報知さんは、若手社員の自由な発言と行動を引き出すことができたのです。たぶん、報知さんはそうしながらも、部下どうしのかかわりをよく観察しておられたはずです。

 一方、宇貝さんは、職場を「私が全責任を負うもの」を考えているようです。この場合、部下にとって「職場は課長のもの」。したがって、職場に対する責任を感じることはありません。責任を感じるのは「自分に与えられた責任部分」だけ。

 その結果、部下は、職場を良くするための工夫や提案を考えることがなくなります。また、職場に役立つ実感も持てなくなりますから、仕事の楽しさも減ってしまいます。部下に職場への責任感を持たせることこそが、管理者の仕事なのです。

管理職は肩の力を抜こう

宇貝:中嶋先輩の説明は分かったのですが、そうしたら、私は何を変えればいいですか?

中嶋:2つのことだね。ひとつは宇貝課長、君が肩の力を抜くこと。完全な管理者ではなく、部下が助けたくなるような管理職になればいいよ。もうひとつはミーティングを大事にすることだね。

宇貝:職場目標と職務配分をミーティングでという中嶋先輩の主張ですね。

中嶋:そうそう。佐藤君あたりに推進役を頼んだらよいと思うよ。

宇貝:ありがとうございます。授業料はお茶代でいいですか(笑)。

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                     イラスト:ふるはしひろみ

中嶋 哲夫 人事教育コンサルタント、MBO実践支援センター代表

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なかしま てつお / Nakashima Tetsuo

1948年生まれ。京都大学経済学部卒業。20年間の企業生活(鐘淵化学工業、現・カネカ)において、企業内ベンチャー、営業、人事の業務を体験。人事部門では、社員教育と人事企画を担当し、目標管理制度の運用に従事。仕事を通じて学ぶ目標管理に共鳴し、その考え方と実践ノウハウを現場管理者とともに開発。1991年に退社し、人事教育コンサルタント。産労総合研究所MBO実践研究所顧問を務めた後、MBO実践支援センターを設立。代表として良い職場づくりを目指す人事担当者と管理者を指導する。数多くの企業において、目標管理を活かした職場づくりを指導している。この間、大阪大学大学院国際公共政策研究科に進み、人事評価データや賃金データの統計解析を研究。2007年に博士(国際公共政策)。現在、大手前大学、大阪商業大学大学院にて非常勤講師を務める。著書に、『岐路に立ったら読む ライフマネジメント』(共著、中央経済社)、『目標管理ハンドブック』(共著、経営書院)、『人事の経済分析』『人事の統計分析』(ともに共編著、ミネルヴァ書房)など。

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