定番化しつつある年末年始の「すき焼き」
年末になるとスーパーの精肉売り場にずらりと牛肉が並びます。かつて大晦日にすき焼きを食べる習慣は東海地方独特のものでしたが、今では年末年始の「すき焼き」は全国で定番化しつつあるようです。
スーパーに行くとさまざまな肉が売られていますが、すき焼きはとくに和牛をおいしく食べるために特化した調理法といえます。和牛はラクトンという香り成分を中心にした<和牛香>という甘い香りが特徴なのですが、この和牛香は80℃で最も多く生成され、100℃以上で加熱すると揮発してしまいます。
すき焼きは『焼く』と名前がついていますが、「焼く」と「煮る」の中間にあたる調理法です。割り下、または砂糖醤油で加熱するので、焼くよりも比較的低温での加熱になり、和牛香と加熱によって生じる赤身の香りがバランスよく味わえます。
ただ、すき焼きには弱点が1つあります。近年、主流となった脂肪交雑(霜降り)の多い和牛肉をおいしく食べるには、酸味が足りないのです。割り下に赤ワインを混ぜる方法もありますが、今回は<トマトすき焼き>にしましょう。このトマトを入れたすき焼き、今ではさまざまなところで見かけますが、新しい定番料理といったところ。まずは割り下から作ります。
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