寒い冬の定番「湯豆腐」コク深くなめらかに作る技 水と豆腐を入れて煮るだけではない奥深い料理

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出来上がった湯豆腐
おいしい「湯豆腐」の作り方を伝授します
在宅勤務などによって、家で料理をする人が増えたのではないでしょうか。料理の腕を上げるために、まず作れるようになっておきたいのが、飽きのこない定番の料理です。料理初心者でも無理なくおいしく作る方法を、作家で料理家でもある樋口直哉さんが紹介する連載『樋口直哉の「シン・定番ごはん」』。
今回は、熱燗とあわせるとたまらない「湯豆腐」のおいしい作り方を伝授します。
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豆腐のおいしさは「温度」で決まる

子どものころはそうでもなくても、大人になるとおいしく感じる料理があります。個人的には冬の寒い日に食べる湯豆腐もその1つ。とくに熱燗とあわせるとたまらないおいしさです。今日はおいしい湯豆腐の作り方をご紹介しましょう。

湯豆腐なんて鍋に水と豆腐を入れて煮るだけ……と思われるかもしれませんが、豆腐のおいしさは「温度」で決まります。適切に加熱された豆腐はなめらかで、まったりとしたコクが感じられます。そういう意味では肉や魚と同様に加熱には注意が必要で、やはりコツがあるのです。

まずは豆腐の選び方から。というのも豆腐を使った料理は選ぶ豆腐によって味がまったく変わってしまうのですが、スーパーに行くとたくさんの種類が並んでいて、なにを選んだらいいのかわかりづらい食べ物。豆腐には「木綿豆腐」「絹ごし豆腐」「充填豆腐」があります。

木綿豆腐と絹ごし豆腐
木綿豆腐(左)と絹ごし豆腐

木綿豆腐はしっかりとした豆の味があり、絹ごし豆腐はなめらかな舌触りが特徴。最後の充填豆腐は賞味期限が長く冷奴などに適していますが、加熱する料理にはあまり向きません。商品名に絹ごしと名前がついていても、中身は充填豆腐という場合もあるので、品名の欄を確認しましょう。

湯豆腐には木綿豆腐や絹ごし豆腐を使いますが、今回は絹ごし豆腐にしました。豆腐を食べる料理なので、甘みが強く、単体で食べておいしいものがベスト。例えばおとうふ工房いしかわの「究極のきぬ」はおすすめなので、スーパーなどで見かけたら試してみてください。

絹ごし豆腐
商品名に絹ごしとついていて、パックに水が入っていれば絹ごし豆腐です
次ページでは作っていきましょう
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