節約の味方「鶏むね肉」で「絶品とり天」作る簡単技 コツは「脂肪分を補いつつ」「水分を逃さない」

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とり天
安くてボリューム感もある「とり天」の作り方を伝授します
在宅勤務などによって、家で料理をする人が増えたのではないでしょうか。料理の腕を上げるために、まず作れるようになっておきたいのが、飽きのこない定番の料理です。料理初心者でも無理なくおいしく作る方法を、作家で料理家でもある樋口直哉さんが紹介する連載『樋口直哉の「シン・定番ごはん」』。
今回は、家計の味方「鶏むね肉」で作る「とり天」です。ふっくら仕上げる方法を伝授します。
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「むね肉」はうま味物質の量が多い

このところ値段が上がっていますが、比較的安価な鶏むね肉は家計の味方。もも肉よりもむね肉が安い理由は、もも肉のほうが人気があるから。

欧米では逆でむね肉のほうが人気のため、もも肉よりもやや割高で売られているわけですが、これらの肉に食材としての優劣はなく、価格の違いは万人の好みの差によるもの。鶏むね肉はもちろん上手に料理すればおいしい食材です。

むね肉はよく「淡白」と言われますが、実はうま味物質の量はもも肉よりも多いのです。ただ、もも肉とは異なる特徴が2つあります。

1つ目は脂肪分の少なさ、2つ目は筋繊維を包む膜が薄いため、水分が抜けやすいことです。ここから導き出せる鶏むね肉攻略法は「脂肪分を補いつつ」「水分を逃さない」ことです。

今回は「とり天」をご紹介します。とり天は大分県発祥の料理。名前から鶏を使った天ぷらと思われがちですが家計の味方「鶏むね肉」で作る「とり天」です。実は江戸前の天ぷらとは衣の配合が異なり、卵と粉の割合が多いのが特徴です。衣に包んで揚げることで、鶏肉にソフトに火が入り、しかも厚みが出る=ボリューム感が出ます。

昔、鶏肉が高価だった時代、量を増やす工夫だったようですが、昨今の物価高の状況でも役に立つ工夫です。さっそく取り入れてみましょう。

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