節約の味方「鶏むね肉」で「絶品とり天」作る簡単技 コツは「脂肪分を補いつつ」「水分を逃さない」

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竹串を使って衣をまとわせているところ
竹串で刺して全体にまとわせます

120〜150℃のあいだくらいの低い温度の油から揚げていきます。衣が固まるまでは触らないようにし、火が通ってきたら裏返しましょう。160℃を超すと鶏肉から泡が出てくるので、火加減を弱火に落とし、さらに揚げていきます。

肉を揚げているところ
衣が固まるまでは触らないようにしましょう

揚げる、という調理工程は衣から水分が抜け、そこに油が入る、という油と水の交換現象です。衣から水分が抜けていくと、気化熱によって失われるエネルギーも減っていくので、結果的に揚げ油の温度は徐々に上がっていきます。最終的な揚げ上がり温度は180℃〜185℃くらいです。

油の温度が高くなりますが、衣で包まれているので鶏むね肉は水分によって蒸されている状態です。水分は100℃以上にはならないので、肉には比較的ゆっくりと火が通ります。鶏むね肉は中心温度で68℃をこしたあたりから明らかに硬くなりはじめます。安全性と食味のバランスを考えても加熱温度は75℃前後を目指したいところ。ゆっくり加熱すれば温度が上がりすぎるリスクが少ないので、仕上がりが安定します。

最終的な揚げ上がりは衣の色づきや箸でつまんだときの感触の変化で判断できます。こんがりと揚がったとり天をザルなどに引き上げます。このあいだにも余熱で調理は進むので、安全性はより担保されます。フライパンが小さい場合は半量を揚げ、残りを揚げる、という形をとりましょう。

ザルに引き上げたとり天
カリカリ感を求めるなら二度揚げする手もあります

出来上がり。現地では酢醤油で食べることも多い料理ですが、大根おろしにポン酢で食べる、あるいは塩コショウでシンプルに食べてもおいしいもの。ふっくらとした衣の食感が際立ちます。ご飯だけではなく、うどんと一緒に食べるのもいいでしょう。

出来上がったとり天
ポン酢がなければシンプルな酢醤油もいいもの
塩コショウをつけたとり天
塩コショウで食べると、衣の食感が際立ちます

(写真はすべて筆者撮影)

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樋口 直哉 作家・料理家

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ひぐち・なおや / Naoya Higuchi

1981年東京都生まれ。服部栄養専門学校卒業。2005年『さよなら アメリカ』で第48回群像新人文学賞を受賞しデビュー。著書に小説『スープの国のお姫様』(小学館)、ノンフィクション『おいしいものには理由がある』(角川書店)、『新しい料理の教科書』(マガジンハウス)、『最高のおにぎりの作り方』(KADOKAWA)などがある。

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