「人類滅亡」今後数十年の取り組みが鍵となる理由 私たちホモ・サピエンスが握る「人新世」の命運

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地球を手にする若者たち
私たちは自然と調和した種としてこの地球に住み続けられるのでしょうか?(写真:kou/PIXTA)
《プラネットアース》などの自然番組で知られるデイヴィッド・アッテンボロー氏。氏によれば、過去数十年のうちに人類は地球環境を劇的に変えてしまい、私たちが今すぐに「グリーン成長」や「再野生化」に取り組まねば、人類や地球に未来はないという。今回、日本語版が12月に刊行された『アッテンボロー 生命・地球・未来』より、一部抜粋、編集のうえ、お届けする。

「人新世」とは何か?

わたしは今とは違う時代の生まれだ。これは比喩ではなく、文字どおりの意味でそう言える。わたしがこの世に生を享けたとき、地質学者はその時代を完新世と呼んでいた。わたしは、今この世にいるほかのすべての人と同じように、人新世(人類の時代)にこの世を去ることになるだろう。

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人新世とは2016年に、著名な地質学者のグループによって提案された時代区分だ。地質学では古くから、地球の歴史を呼び名のついた時代に区分するということが行われている。

各時代は、その時代の岩石の特徴によって区分される。例えば、前の時代に栄えていた化石種が含まれていないとか、あるいは、ほかのどの時代にも見られない化石種が含まれているかという特徴だ。

現在形成されている岩石には間違いなくそのような特徴が備わるだろう。

岩石に含まれる種の数が前の時代よりも減るほかに、プラスチックの破片や、核エネルギーの利用で生じたプルトニウムといった、かつての岩石には一度も含まれたことがないものが含まれることになる。ニワトリの骨が世界じゅうに分布するという特徴も見られるだろう。

地質学者たちは、この新しい時代は1950年代に始まっていたと述べて、人新世と名づけるべきだと提案した。時代の特徴を決めている最大の要因が人類にあるからだ。

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