「人類滅亡」今後数十年の取り組みが鍵となる理由 私たちホモ・サピエンスが握る「人新世」の命運

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中央アフリカでは、1970年代にマウンテンゴリラの個体数がわずか300頭にまで減ったとき、多くの国々のあいだで国境を越えた合意がなされた。今では、地元のレンジャーたちの努力と勇気のおかげで、その個体数は1000頭以上に回復している。

つまり、その気になれば、国境を越えた協力も可能であるということだ。
ただし、今のわたしたちはある特定の動物ではなく、自然界全体について、合意しなくてはならない。

そのためにはおびただしい数の委員会やら、会議やらで協議を重ねなくてはならず、数え切れないほど多くの国際協定が締結されなくてはならない。
すでにその取り組みは国連の主導で始まっており、何万という数の人が参加する大規模な会議が複数立ち上げられている。

その中には、広範囲に壊滅的な影響を及ぼしうる地球温暖化の由々しい進行の速さに関する会議もあれば、生命の網を支えている生物多様性の保護を担う会議もある。

これはとても困難な作業であり、わたしたちもあらゆる面でできる限りの支援をしなくてはならない。

地方レベルでも、国や国際レベルでも、政治家たちになんらかの合意に達するよう強く働きかける必要がある。

場合によっては、より大きな利益のために、自国の利益を後回しにすべきときもある。人類の未来はそれらの会議の成否にかかっている。

わたしたちはしばしば地球を救うと言うが、じつは、すべて自分たちを救うためなのだ。

原発事故ののち復活した自然

わたしたちがいようといまいと、自然は蘇る。チェルノブイリ原発事故後、無人と化したかつてのモデル都市プリピャチの廃墟が、そのことを劇的に物語っている。

今、誰も住んでいないマンションのがらんとした暗い廊下から一歩外へ出ると、あっと驚く光景に出迎えられる。住民がいなくなってから数十年のあいだに、プリピャチはすっかり森の天下になっていたのだ。

コンクリートは雑草でひび割れ、レンガは蔓にからみつかれて崩れている。屋根は生い茂る植物の重みでたわんでいる。ポプラの若木が舗装路を突き破って伸びている。

庭園も、公園も、街路も、今や6メートルほどの高さのオークや、マツや、カエデの樹冠に日光を遮られている。その樹冠の下には、観賞用だったバラや果物の木の風変わりな茂みがある。

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