超絶早口!自分の「頭の中の声」に気づくべき理由 意識されない騒がしい「チャッター」の大問題

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対話はお互いに問いかけ合うものです。

「あなたの考えはどこから生まれたのだろうね」ということを問いかけ合うことで、それぞれが、自分の前提となっているものを考えられるようになります。

対話は、相手との違いをぶつけ合うことでもあります。なぜ自分とこの人とでは、考え方が違うのかという問いが生まれるわけですね。

そこから「自分はどうしてそう考えるのか」「違いはどこから来たのか」「自分とはなんなのか」というところに行きつきやすくなります。ですから、対話は立ち止まって自分を見る機会になり、それによって、自分の内側のおしゃべりが顕在化して見えるようになるのです。

自分の内側のおしゃべりが認識できるようになると、それがどのように自分の感情を動かしているのか、どのようにパフォーマンスに影響しているのかということも認識できるようになります。

しかし、人と話していても、対話をすることがない人がいます。お互いに問いかけ合う、違いをぶつけ合う、そういうやりとりを体験することのない人は、残念ながら自分の内側に意識を向けることがない。そのまま一生涯を終える人は、実はたくさんいるのではないでしょうか。

対話によって得られるもの

「問い」を置くことで、対話はスタートします。相手に対して、相手の使う言葉の意味を問いかけ、一緒に考えはじめるのもよい方法です。

エグゼクティブ・コーチングの場でも、言葉の意味を扱うことはよくあります。例えば、「リーダーシップとは、いったいどういうことだと思いますか?」という問いかけに対して、「明確に方向性を指し示すこと」という答えが返ってきたとします。

リーダーシップには多くの定義があります。その中で、「方向性を指し示す」という言葉が出てきたわけです。そうしたら、次にその背景について尋ねます。「そう考える背景や経験にはどんなものがあるのでしょう?」。こうした問いかけは、問われる側にとって、自分自身をより深く知る機会になります。

また、一方的に問いかけ、聞くだけではなく、コーチ自身も、自分の考えについて話します。お互いの異なる意見を共有し、やりとりする中で、お互いが「なぜ自分はこんな意見を持っているのだろうか」と考えが深まっていくわけです。

対話は、真理の探究でもあります。自分自身を明らかにして、アイデンティティを確立させることも起きるのです。

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