コーチングの世界では、いかに生成的な対話をするかが大事です。そして、他人と効果的な対話をするためには、まず自分との対話ができていなければなりません。
「自分の内側で、自分がどういう言葉を発しているのか」を認識できていなければならないということです。しかし、実は自分の内側の言葉を認識できている人はほとんどいません。そもそもその存在に気づいていないのです。
では、どうすれば認識できるのか。それは、そのことについて明確に問いかけられたときです。
「あなたのその考え方は、どういうところからきたのでしょうか?」「なぜそれが大事だと思うのでしょうか?」
そのように他人から問われて、はじめて人は、自分の価値観や考えのルーツに意識を向けます。そこに自分との対話が起こり、自分の内側で起こっていることや自分の内側の言葉を捉えられるようになるのです。
意識されない「頭の中のおしゃべり」
心理学の世界では、頭の中のおしゃべりが感情や行動に影響するということがずっと言われてきました。実際に認知療法にも取り入れられているのですが、ビジネスや日常的な文脈ではほとんど取り上げられることがありませんでした。私自身は、この頭の中のおしゃべりを「セルフトーク™」と名づけ、その存在がいかに自分のパフォーマンスに影響するかを書籍などで紹介してきました。
本書『チャッター』は、頭の中のおしゃべりの影響についての本です。心理学者である著者がリサーチデータを引用しつつ、著者自身の生々しい体験も交えて書いているので、読みやすいし、非常に面白い。
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