アイデンティティとは、実は「今ここ」にしかありません。そして常に、他人との会話の中で形成されていくものでもあります。今向き合っている人との間に作られているもの、とも言えます。
みなさんの前でお話しすることで生まれる「鈴木義幸」というアイデンティティもありますし、家族と話しているときに生まれる「父親」や「夫」というアイデンティティもあります。
アイデンティティの形成構築に向けて、チャッター(頭の中のひとりごと)が動くわけですが、自分のアイデンティティが揺らぐようなことが起きると、チャッターはとてもうるさくなります。
例えば、私は仕事柄、人前で話すことが得意なほうだと思いますが、もし、「鈴木さんの話は面白くないですね」と言われたら、途端にチャッターが騒々しくなるでしょう。
チャッターをスローダウンさせる
自分の大切にしているセルフイメージが冒されたときに、チャッターが騒がしくなります。そして、チャッターが騒がしくなるとますますセルフイメージを捉えられなくなるというジレンマにも陥ります。
そうなると、感情は嫌な方向に向かってゆき、反応的な行動をくり返すようになってしまいます。ですから、いかに自分のチャッターをスローダウンさせるかが重要なのです。
忙しくなると登山したくなったり、海に行きたくなったりしますが、それは、チャッターをスローダウンさせられるからです。エグゼクティブが軽井沢に別荘を持ったり、ハワイに行ったりする傾向があるのも、理にかなった行動と言えるでしょう。
(構成:泉美木蘭、後編に続く)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら