やる気を演じるすべに長けた若者たち
—ここ最近の若者について、先生はどのようにご覧になっていますか。
山田 私は大学の教員として40年以上教鞭を取ってきましたが、『無敵化する若者たち』で描かれている若者のエピソードはまさに「あるある」ですね。金間先生が指摘されているように、安定志向で「いい子症候群」の若者が増えてきました。彼らは、見かけ上ではやる気があるように見えますが、実際の行動は極めて保守的です。
私はほぼ毎年、1年生の授業で「海外に出たいですか」という質問をしています。旅行ではなく、留学などで海外に住んでみたいかどうか。20年ほど前までは、何らかの形で海外に行き、生活してみたいという人は約半数いました。ところが今は1割にも届きません。
もちろん半年間留学すれば、卒業は1年遅れます。円安により海外での生活費は数年前に比べて倍になりましたから、経済的な事情も大きく影響しているでしょう。留学そのもののコスパが悪くなっているのは事実です。大学の授業料を1年分余計に払って、さらに海外での生活費を出すくらいのお金があるなら、国内でもっと良い体験ができるだろう。そうした内向き志向は、ますます強まってきたように感じます。



















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