「もっと儲かるかも」「明日は大丈夫」が破産を招く? 株高に沸く若者たちが学ぶべき"合理的な楽観"とは
漠然とした不安に備えるため、日々相場とにらめっこして、せっかくの青年期をムダにしてはもったいない。
なおかつ、焦ると手痛いしっぺ返しを食らう、というのが投資の常だ。
もっと生活に根ざした資産形成の方法を説く専門家はいないものか。
日本では「金融教育」はまだ始まったばかりだが、成功も失敗も包み隠さず教えてくれる環境が身近にあったらどうだろう――。
『投資家の母が20歳になった娘にどうしても伝えたいお金の話』(パク・ソヨン 著、立和名美香 訳、東洋経済新報社)の著者は、賢明な「お金のプロ」であり、20代の娘を持つ親でもある。
お金について書かれた書籍は、しばしば私を戸惑わせる。とりわけ「苦手だな」と感じてしまうのは、「1億円稼いだ私が明かす〜」みたいな仰々しいタイトルがつけられたものだ。
わざわざ大きな額をアピールする感覚が好きになれないし、「そんなに簡単に稼げるなら、手法を明かさずに自分だけで稼げばいいのに」と感じてしまう。
こういうことを考えるのは、きっと屈折した性格のせいなのだろう(自覚はある)。でも、生きていくうえでお金はとても大切だからこそ、もっと謙虚であってほしいと感じてしまうのだ。
しかし、『投資家の母が20歳になった娘にどうしても伝えたいお金の話』(パク・ソヨン 著、立和名美香 訳、東洋経済新報社)については印象がまったく違った。
端的にいえば、地に足がついていると感じたのである。
誰にとっても重要な「お金」の話
韓国ソウルの大手投資企業で働く著者は、投資のプロとして20年以上のキャリアを積んできた現役の投資アナリスト。
とだけ聞くと、「投資のプロが明かす1億円稼ぐための〜」みたいなアプローチを連想したくなるかもしれないが、スタンスはむしろ正反対である。
21歳で母親を亡くし、行き場のない気持ちを抱えたまま20代を過ごしたという人物。
そうした経験があるからこそ、母親が亡くなった年齢に到達したいま、自身の娘に向けて“資産をつくっておくことの大切さを伝えたい”という思いから執筆に至ったのである。
つまりプライベートな思いが根底にあるわけで、しかも「女性が資産をつくっておくことの重要性」に重点が置かれてもいる。
ただし当然のことながら、お金は誰にとっても重要なものだ。そのため、実際のところは性差なくすべての人に訴えかけられる内容だといえる。





















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