金間先生の分析で私が面白いと思ったのは、「いい子症候群の行動特性」です。
今の若者は、若者らしい前向きさや協調性があり、かつ表面的な意欲を見せる。そして「先輩世代に対し、どのような応対をすると正解かをよく知っている」と書かれています。確かに10年前と比べても、やる気があるように見せるすべを心得ている学生が増えたと感じます。
—どんなところでそれを感じますか。
山田 例えばゼミを分ける際に提出される学生のエントリーシートを読むと、やる気に満ちた学生ばかり(笑)。ところが実際のゼミの場では「あれ?」と思うことが少なくありません。
また1限目の授業も、出席率が95%という驚異的な数字をたたき出したりするのですが、学生たちは授業を聞きたいというより、定められたルールから外れるのはイヤだから出席しているのが本当のところでしょう。
40年前、私が教員になったばかりの頃は、「先生の言っていることは違うのではないか」と突っかかってくる学生がいました。私が若かったこともあるのですが、そうして自分の意見を表明する若者は年々減っているように思います。授業で学生が積極的に挙手するようなこともまったくありません。
私の知っている先生の中には、授業中、挙手して意見を言えば高い点数を付ける、といった細かい決まりを設けている人がいました。そういうルールの下では、点数稼ぎのために挙手する学生はいるかもしれません。ただそれも、やる気を見せることを強制されれば、そう見せる力がある、というだけの話だと思います。
努力より「才能と環境」と語る若者たち
—『無敵化する若者たち』では、意識の高い「自己実現系」の若者が1〜2割はいるとのことですが、山田先生はどうお考えになりますか。また、彼らの影響を受けて「いい子症候群」の若者が変わっていくというようなことはあるでしょうか。
山田 金間先生のご指摘のとおり、若者全員が安定志向なわけではなく、中には「自己実現系」の学生もいます。ただ彼らは「変わり者」と見られて終わりです。周りの学生の行動を変えるまでには至りません。


















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