この「激安プリン」が面白いのは、「溶かして型に入れて冷やすと、好きな形に固まります」と書かれていることです。
ここでちょっと考えてみてください。
Aの「手作りプリン」、Bの「普通のプリン」ともに、「加熱して溶かして、また冷やすと好きな形に固まり」ますか?
一度加熱した卵が溶けるわけがありません。ぜひみなさんには、こういうところに「素朴な疑問と違和感」を持ってほしいと思います。
私も実際にやってみましたが、本当に溶けて、本当に好きな形(茶碗の形)に固まりました。まさに「加工でんぷん」と「増粘多糖類」の性質によるものです。
子どもはこういうのを喜ぶのかもしれませんが、溶けて冷やせば別の形になるというのは、「プリン」とは認めがたい。
私に言わせれば「フェイクプリン」です。
なぜこんなことが起こるのかというと、プリンには「定義」や「規格」などを定めた制度がないからです。
たとえば、生クリームなら「乳脂肪分18%以上であり、かつ、ほかの油脂や添加物などを加えてはいけない」という食品衛生法に基づいた「規格」があります。その基準を満たすものだけ「生クリーム」と呼べるのです。
でも、プリンには「規格」がないから、「製法」や「使用する原材料」にかかわらず、原料がバラバラでも、作り方が違っても、みんなが勝手に「カスタードプリン」と名乗り、表示できるのです。
これは「業界の大問題」だと私は思います。
「栄養成分表示」でも「フェイクプリン」は見抜ける
この話をすると「フェイクプリンは避けたい」という人がいると思います。
プリンの選び方は上記の話を参考に、「原材料表示」で見ればいいのですが、それ以外にも、「もうひとつヒント」があります。
それは商品についている「栄養成分表示」を見ることです。じつはここからも「フェイクプリン」を見抜くことができます。
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