東大ママたちの「産後クライシス」
さて、前回の記事で、東大だから結婚しにくいとは特に感じていないと申し上げた私たちですが、その夫婦関係、出産後はどのように変化しているのでしょうか?
「産後クライシス」はママたちの溜飲を下げるキーワードです。『産後クライシス』(内田明香・坪井健人、2013年)によると「出産から子どもが2歳ぐらいまでの間に、夫婦の愛情が急速に冷えこむ現象」のこと(詳しくは同書のほか、『きみは赤ちゃん』などいい本がいっぱい出ているので、そちらを読んでくださいね)。東大卒ママたちもご多分に漏れず、これに直面しています。
・夫(男)の無能さがよくわかった。(1991年法学部卒、夫とは職場結婚)
・悪化した。改善していない。が、日々の生活を回すので精いっぱいで、どうしようもない。(1995年教養学部卒、夫は東大卒)
・対等だった関係が、育児と家事をする人(気にしている人)とそうでない人に分かれてしまった。もし私が夫と同じように家事や育児を気にしなくなったら家庭は成立しえないが、かといって仕事をおろそかにしたくないというジレンマとアンバランスな関係は、これからも乗り越えられそうになさそう。(2001年経済学部卒、夫は東大卒)
・もともと旦那に家事を多めにやってもらっていたけど、産休からは家事のウエートは自分が多くなった。旦那が片付けが壊滅的にできないことがわかり、イライラするようになった。(2007年法学部卒、夫とは職場結婚)
うんうん、そうなんですよね。結婚しただけであれば、正直、家事なんて大した量じゃないので大きな問題にはならない。今は料理好きの男性も多いし、一人暮らしの経験があれば掃除・洗濯など大体のことはできる。でも、育児が始まった途端、圧倒的な差が生じてしまう……んですよね。中には夫婦仲が悪化し、修復できないケースも。
・第1子出産後、一気に夫婦関係が冷め始め、第2子出産後は関係修復が絶望的になり、別居を続けて4年になります。子どものいない時期は、お互い、家庭においてやらなければならないことも少なく、対等にこなせていたのですが、出産後、家事の負担割合が夫と自分であまりに違うようになり、愛情が持てなくなりました。(2003年法学部卒、夫は東大卒)
・お互い自分のやりたいことを自由にやる、縛りのない関係だったが、子どもを産むと協力や妥協が必要になり、居心地が悪くなった。離婚の直接的な原因は育児とは無関係だが、躊躇なく離婚したのは根底に居心地の悪さがあったからかもしれない。(2006年文学部卒、元夫と知り合ったのはサークル)
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