政府は指導的地位に就く女性を30%に引き上げようとしています。企業は「女性ならでは」の「生活者の視点」をマーケティングなどに生かそうとしています。
でも、はっきり言って、男性と同等に競争し、女であるということによってほとんど不自由を感じずに生きてきた私たちみたいな女の場合、別に女性だからといって特別な配慮を受ける必要もなければ、自動的に「生活者の視点」を持ち合わせているわけではないんですよね。――そう、子どもを産むまでは……。
東大卒女性たちにとって出産は何をもたらすのでしょうか。前回は夫婦の対等な関係が崩れる「産後クライシス」を扱いましたが、今回は後編として仕事へのスタンスの変化や社会的意識の変化について見ていきたいと思います。
競争の階段を駆け上がり、マッチョな考え方をしてきた女性に、妊娠という体調の変化や、子どもという「思いどおりにならない存在」は、どんな変化を及ぼすのでしょうか。
そこで得た経験は、企業や社会に新たな視点を持ち込むことになる可能性を秘めているともいえるでしょう。ワーキングマザーって大変そうだなぁ……と思っている、これから子どもを産む女性たちにも、参考になれば幸いです!
弱い立場に初めて立つ
前回記事で書いた「産後クライシス」のひとつの原因は、女性側のホルモンバランスや身体的しんどさもさることながら、妻にとっては出産を経て見える「世界」が大きく変わっているのに対して、夫があまりに変わらない(急に変われないのは仕方ない気もしますが)ことかもしれません。
東大卒女性たちの「世界」はママになって、どう変わったのでしょうか。「自身の変化」について聞いてみました。まずは、弱い立場の人の気持ちがわかるようになったなど、社会に対するスタンスの変化が挙げられました。
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