・弱者の視点に立てるようになった。(1996年文学部卒)
・街中でも子連れの存在に気づくようになった。電車の中でも困っている人がいたら迷わずお手伝いできるようになった。(2008年度法学部卒)
・社会や政治に目が向くようになった。(2006年文学部卒)
妊娠してつわりがひどいとき、ベビーカーを押しているとき……。自分の意志ではどうにもならない要因で、「弱い立場」におかれます。東大卒にはそれまでさまざまなハードルを「自分の努力」(と思ってきたもの)で乗り越え、条件や環境面で苦労をしてこなかった人も多いかもしれません。東大卒ママたちにとって妊娠・出産は、病気や障害を抱えている人やそのケアをしている人たちの立場に、初めて立つ契機になるという場合もあるでしょう。
・気合と体力で何でも乗り切って来たし、他者にもそうあるよう求めてきたが、それが出来ない人、かなわない人もいる、ということを理解できるようになった。(2005年度経済学部卒)
・育児の大変さが身にしみてわかり、それまで抱いていたワーキングウーマンのイメージががらりと変わった。専業主婦でも育児は大変だとわかり、女性全般に対するイメージも変わった。(2003年文学部卒)
・子どもを生む前は、恥ずかしながら女性が苦手だったのだけれど、妊娠、出産を経験し、女性といるほうが居心地がよくなった。そして、交友関係が変化してきた。(2007年理学系研究科卒)"
マッチョ志向で男性と同等に競争してきた女性が、「産んで初めて女になる」という感じですね。それまで男女平等を信じてきた能力主義の女性たちは、特段、女同士でつるむ必要性も感じていなかったり、場合によっては男性たちと肩を並べていたほうが居心地よかったりするわけです。が、出産して初めて同じ母親だというだけで共有できる悩みがこんなにあるなんて!と驚愕する。
そういう意味では、子どもを産んだ後の女性は「企業戦士」の多い組織に、まったく別の視点を持ち込む有力な人材だと思います。しかし、実際のところは家事・育児の責任を担うことによって働き方が変わり、二級労働者扱いされてしまうことが多いというのが現状。
仕事へのスタンスの変化
その働き方の変化について見てみましょう。
・子どもを産む前は22時まで預けられる保育園に入れて今までと同じように働こう、と思っていたが、産んでからは働きながらもできるだけ子どもといたいと思うようになった。今は18時には必ず迎えにいける仕事内容に変え、のんびり仕事をしている。(2005年文学部卒)
・結婚した頃は、将来の育児との両立のことをイメージするときも、自分のキャリアのことばかり考えていたが、出産後は、仕事はある程度割り切って、子どもを最優先にしようと思うようになった。(2005年文学部卒)
・仕事や自分のプライベートがいちばんだと思ってきたが、子どもと過ごす時間も捨て難いと思えるようになった。(2007年法学部卒)
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