明文化されていないコミュニケーションのルールを、年号や公式のように覚えやすい形で法則化するのが私のライフワークです。
そこで「ほうれんそう」に代わる「上司の話し方の基本作法」を考えてみました。それが「『ほしかき』と『みかん』」です。
ほ:褒める
し:叱る
か:共感する
き:聞く
と:問う
み:認める
かん:感謝する
「褒める」の重要性は日本ではまだまだあまり理解されていないようですが、社員のモチベーションを思うままに爆上げする最強兵器であることは間違いありません。
褒めるばかりではなく、「叱る」スキルも必要。「叱る」については、「日本人が苦手な『叱り方』、一気に上達する5秘訣」を参考にしてみてください。「共感」については、ぜひ「部下の心情をおもんぱかり、寄り添うことができているか」と自問自答してみるのがコツです。
「聞く」「問う」については、つい親や上司はどうしても「●●しなさい」「〇〇したほうがいい」という説教モードになってしまいがち。そこをぐっと抑えて、まずは「聞く」ことが大切。相手が心を開き、「よりよい対話」に発展する「問い」を立て、相手の「やる気スイッチ」を探し当てていくのです。
そのうえで、部下の存在、働き、変化に気づいて「認め」、貢献や努力、成果に「感謝」をする。この7つのステップを面倒くさいと感じた人もいるかもしれませんが、残念ながら「近道はない」のです。
「話し方」を工夫して「世界最高の上司」になる
私は「家庭教師」として1000人を超えるエグゼクティブと対峙する傍ら、海外の最新のコミュニケーションやリーダーシップ研究文献を片っ端からチェックするようにしています。
常々感じるのは、海外と日本とでは、「コミュニケーションの常識」が大きくかけ離れているということです。もちろん、日本独自の文化もありますから、一概に世界水準が正解というわけではないでしょう。
一方で、心理学や人類学、経営学などアカデミックに検証され、効果が実証された「話し方のルール」がまだまだ浸透していません。「上司の話し方」もそのひとつです。
叱り方や褒め方、雑談、説明、説得まで、すべてに方程式があり、習得できるものなのですが、そうしたベーシックルールを学ぶこともないままに、管理職になり、途方に暮れてしまう……。これは不幸なことです。
話し合い、耳を傾け承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。
連合艦隊司令長官の山本五十六がこんな言葉を残していますが、これは「『ほしかき』と『みかん』」そのものですね。ぜひみなさんも「話し方」のスキルを磨き、「世界最高の上司」の称号を手にしてみませんか。
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