一朝一夕に解決できる問題ではありませんが、次の「3つの方策」を提案したいと思います。
「リモートによって、朝から晩までウェブ会議」というように忙しい人もいれば、ネットワークの網目からこぼれ落ちる人もいます。
社員間の「つながり格差」が顕在化していたり、部署内では頻繁にコミュニケーションをとっていても、海に浮かぶ「離れ小島」のように、それぞれが孤立していてつながりにくい、といった状態も目につきます。
社員が物理的にバラバラな状態だからこそ、心理的には超「密」なコミュニケーションが必須です。
例えば、大手損保会社AIG損保では、日ごろからトップが率先して社内コミュニケーションを進めていますが、全社員を巻き込んだオンライン社員総会を企画するなど、つなぐ努力を続けています。
イントラネットや社内報など、企業から社員への一方的な発信だけでは情報は伝播しないし、受け止めてはもらえません。
上から下への上意下達・一方通行の情報伝達だけではなく、「社員間の水平的なコミュニケーション」を活発化させる工夫も必要です。
例えば、住宅設備メーカー最大手のリクシルでは、コロナ以前に導入した「社内版SNS」が社員コミュニケーションの活性化の起爆剤となっています。瀬戸欣哉社長も積極的に参加し、社員のアイデアが即日採用になるなど、スピーディーな決断にもつながっています。
メールでの伝達、ウェブ会議、イントラネットへの掲載など、情報伝達の手段が「パターン化」していないでしょうか。
情報が氾濫するこの時代だからこそ、もっと受け手が喜んで、自ら積極的に取り入れ、さらに「ほかの人に話したい!」と思える「コンテンツ」として、パワーアップさせていく必要があるでしょう。
例えば、星野リゾートは社員をキャスターに仕立て、記者会見をニュース番組風に作って発信しています。気軽にわかりやすく3次元の映像情報になっているため、「社員が見ても、すぐに理解できる」という利点があります。楽天も動画で社内のニュースを毎日、発信し、好評を博しています。
コンテンツをもっと魅力あるものにし、ウェブ会議だけではなく「あらゆるチャンネルを活用してコミュニケーションを進める努力」が不可欠です。
いまこそ、「人と人とのつながり」が重要
コロナ禍によって、リモートワークは今後も増えていくでしょう。物理的距離のある時代だからこそ、人と人との心の距離を縮め、つながりをつくる「コミュニケーション」の重要性が、ますます高まっています。
拙著『世界最高の話し方』でも紹介しましたが、リモート時代にこそ効果的な「コミュニケーションのコツ」は数多くあります。ちょっとした「話し方の工夫」で、「たんなる伝える」が「つながる」に変わります。
これからの世の中をたくましく生き抜くために、「リモート時代のコミュニケーション術」という「最強のサバイバルスキル」を手に入れ、自信につなげていってください。
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