懸念される理由は企業によっても異なりますが、おもな理由として次のようなことが挙げられます。
② きっちりとした人事評価システムが確立されておらず、リモートでの成果を測りにくい
③ 対面重視で、意思伝達を「飲みニケーション」などに依存してきた
④ Wi-Fiの脆弱性、家庭内で働くスペースを確保するのが難しいなどの環境的な障害がある
⑤ 海外とのやり取りにおける言葉の壁がある
日本企業の多くが「コミュ障」という現実
これまで1000人以上のエグゼクティブのコミュニケーション指南に携わってきてよく実感するのは、いまだに「言えば伝わる」「言わなくて伝わる」と思っている人が本当に多いことです。
そうした文化もあって、「社内コミュニケーションは自然発生的にあるもの」と認識されており、基本は「上から下、下から上への一方的な伝達・報告」で終わっているのがほとんど。
「上下左右の対話の機会」「偶然の出会いからの会話」はリモートになってさらに減ってきています。
日本社会はタテ社会、以心伝心文化の中で、フラットに自由にコミュニケーションをする慣習がなく、誰にでも伝わるように言語化する技術も継承されない中で、「対面での『あうんの呼吸』に依存」してきたわけです。
日本の労働者のエンゲージメント(やる気、会社への忠誠度、愛着、コミットメント)はじつは世界最低レベル。
生産性も先進国一低く、現行の職場コミュニケーションのお作法は「機能不全」、まったく使い物になっていません。
私はそういった日本企業の「コミュ障」気質にリモートでのコミュニケーション不足が相まって、今後、日本企業の業績に「大きな影」を落とすのではないかと心配しています。
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