サザンと「YOASOBI」、時代を越えた意外な類似

人気の陰に日本で偏愛される、あのコード進行

2019年11月に公開されたYOASOBIの第1弾楽曲「夜に駆ける」のストリーミング再生回数は7月に1億回を突破している(画像:YOASOBI「夜に駆ける」 Official Music Videoより)

2020年上半期音楽シーンのブライテスト・ホープを「YOASOBI」(ヨアソビ)とすることに異論は少ないだろう。この2人組は、米津玄師、あいみょん、オフィシャル髭男dism、King Gnuに継ぐ存在にな(ってい)ると見るのだ。

この連載の一覧はこちら

最新(8月3日付)のビルボードジャパン・ホット100では、YOASOBI『夜に駆ける』が、SixTONES『NAVIGATOR』に続く第2位を獲得しているのだが、驚くべきは、この曲が「新曲」ではなく、昨年11月に公開されていることだ。ジワジワと世評を広げた結果1位を獲得、そして、ストリーミングの総再生回数が1億回を突破したという。

というわけで、今回の「月間エンタメ大賞」は、このYOASOBIのブレイクの要因を分析してみたい。とりわけそのポイントは、後述する、その特異な音楽的構造だと考えている。

音楽、映像、小説の「三次元ヒット」構造

まず注目するべきは、その「クロスカルチャー性」である。 公式サイトでYOASOBIは「小説を音楽にするユニット」(NOVEL INTO MUSIC)と紹介されている。双葉社とソニー・ミュージックエンタテインメントが運営する「monogatary.com」(モノガタリードットコム)という小説投稿サイトがあり、同サイト上の小説を楽曲化するユニットとして、昨年、YOASOBIが結成されたのだ。

メンバーは、「monogatary.com」のスタッフが声をかけた、ボーカロイド楽曲のプロデューサー(「ボカロP」という)=Ayaseと、彼がインスタグラムで見つけたボーカリスト=ikuraによる2人組。

「小説を音楽にするユニット」なので、それぞれの曲には、基となった小説がある(『夜に駆ける』の場合は、星野舞夜の小説『タナトスの誘惑』)。つまり、YOASOBIの楽曲は、音楽だけでなく、元々の小説、そして音楽と小説の世界を体現した映像(MV)が密接にリンクした形でヒットしたのだ。

言わば「三次元ヒット」。これまでの音楽+映像(MVやタイアップCM、ドラマなど)の「二次元」構造に加えて、小説が入る分、麻雀的に言えば一翻(イーファン)多い「クロスカルチャー性」が高まるのだ。

次ページTikTok起点のヒット続々
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
  • ポストコロナ時代の人づくり最前線
  • あの日のジョブズは
  • 就職四季報プラスワン
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
悪用された「ドコモ口座」<br>セキュリティーに3つの問題

「ドコモ口座」を使った預金の不正引き出し事件。背景としては、回線契約がなくても口座が使える「ドコモ口座」自体と、安全性の脆弱なシステムで口座接続していた銀行側の双方に問題がありました。情報漏洩の経路も不明で、今後の対応が問われています。

東洋経済education×ICT