TBSの「再放送」にハマりまくる中高年の目線

昭和の番組で掘り起こされたテレビの新需要

東京都港区にあるTBS放送センター。コロナ禍でドラマの撮影が困難になりテレビ各局、過去作品の再放送を続けている(写真:yama1221 / PIXTA)

コロナ禍によって新撮が困難になったテレビ業界において、いち早く積極果敢に、自局のドラマ・アーカイブ(過去作品)を活用し、話題を呼んだ局がある。それがTBSだ。4月以降、TBSの再放送ドラマが軒並み話題となったのだ。『恋はつづくよどこまでも』『下町ロケット』『ノーサイド・ゲーム』『逃げるは恥だが役に立つ』など、最近のヒットドラマの再編集版を次々と放送(以下、関東地区での放送に基づく)。

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特に「恋つづ」こと『恋はつづくよどこまでも』の再編集版『恋はつづくよどこまでも胸キュン!ダイジェスト』の平均視聴率は10.6%(ビデオリサーチ、関東地区)と二桁を記録したという。TBSのドラマ・アーカイブ活用はさらに過去にさかのぼり、2009年、2011年放送の『仁-Jin-』や、1995年の『愛していると言ってくれ』の再放送を展開。リアルタイム層を懐かしがらせつつ、新規層も取り込んでいるようだ。

これらの再放送が話題を呼んだ理由として、まずは「もう一度見たい」というニーズの高い作品を選んだことがあるが、加えて、単なる再放送ではなく、新しい企画を組み込んだ編集が奏功したことも挙げられよう。「逃げ恥」こと『逃げるは恥だが役に立つ』では、新垣結衣と星野源による「リモート恋ダンス」企画が、また『愛していると言ってくれ』では、豊川悦司と常盤貴子の「リモート同窓会」企画が組み込まれた。

最近ではなく昭和のTBSドラマに勝機

さらには、TBS社内に、自社のドラマ・アーカイブへの自信と、その自信に基づいて、積極的に2次活用していこうという機運が、元々あったのではないか。それゆえ、コロナ禍を迎えるにあたっての再放送を、早期に決断できたと考えるのだ。

かくいう私(53歳)も、この3か月間、TBSのドラマ・アーカイブばかりを見ていた。ただし先に書いたような、最近のヒットドラマではなく、もっと昔の、昭和のTBSドラマばかり見て、感心・感動し続けていた。そんな中で感じた新しいビジネスチャンスこそが、今回の本題である。

まずは、BS12トゥエルビでこの4月から放送されている『ムー一族』(1978年)。月曜日に2本まとめて放送されるという変則的な再放送なのだが、これがめっぽう面白い。久世光彦のプロデュースで、郷ひろみ、樹木希林、伊東四朗らが出演する、やたらと実験的なホームドラマ。実験性の最たるものは、ドラマにもかかわらず、数回に1回の割合で生放送(!)を試みるのである。

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