「JIN-仁」がコロナ禍の日本人にグサリ刺さる訳

タイムリーでスリリング、そして希望を与える

「JIN-仁」で描かれている世界は今のコロナ禍と重なる(C)TBS

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、テレビドラマの制作が中断し、代わりに旧作が再放送されている。そのなかでTBS系で「JIN-仁-レジェンド」として、2009年〜2011年にかけて放送された「JIN-仁-」、「JIN-仁-完結編」(TBS系)を再編集した特別編が4月18日から放送されると、土日の午後帯の放送にもかかわらず高視聴率で、関西(毎日放送)でも特別編の再放送が29日(水)からはじまった。いま、なぜ「JIN」が注目されているかといえば、理由は3つある。

① 主人公(大沢たかお)が感染病コロリ(コレラのこと)の治療に奮闘したり、多くの人類を救うことになる新薬ペニシリンの普及に寄与したりするエピソードが、いま、新型コロナウイルスに不安を覚え、一刻も早く特効薬が求められるわれわれにとって、非常にタイムリーに映る。

② 直近大ヒットした日曜劇場「テセウスの船」(TBS系)と同じく現代人が過去へタイムスリップ。「未来を知っている主人公の行動によって歴史が変わってしまうのか問題」がスリリング。

③ 「神は超えられる試練しか与えない」というメッセージに励まされる。

江戸時代にタイムスリップした医者が奮闘

以下はネタバレを含むので読み進める際には注意していただきたい。

平成12年(2000年)、東京で脳外科医をやっている主人公・南方仁(大沢たかお)が、坂本龍馬(内野聖陽)、勝海舟(小日向文世)、緒方洪庵(武田鉄矢)などが闊歩する幕末の江戸にタイムスリップ。いきがかり上、青年武士・橘恭太郎(小出恵介)の負傷や、町ですれ違った貧しい母子の母の怪我を、現代医学の知識と技術を使って治す。

そんなとき、流行り病コロリ(コレラ)が市井に発生し、民衆はパニックに。仁は自らも感染する危険性を押して治療に励む。手ぬぐいをマスク代わりにし、焼酎で消毒し、なるべく患者に近づかないという、まさに現在、われわれが経験しているような状況の数々。現在にわかに1947年に出版されたカミュの小説『ペスト』が売れていることといい、感染病が蔓延したとき、どうしたらいいかの指針を求め、物語にでもすがりたくなるもの。ただ、熱血・坂本龍馬が結界を破ってコロリ患者の手当を手伝おうとするところは、いまだと、こういう善意の熱血行為すら厳しい状況だなあなんて思ったりもした。

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