接触8割減を願う人々を失望させる「人の動き」

若者、老人が街から消えても通勤電車は混雑

4月7日に緊急事態宣言が出たにもかかわらず、東京の通勤風景は以前とさほど変わっていないという指摘もある(4月9日撮影、写真:つのだよしお/アフロ)

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、4月7日夜にいよいよ緊急事態宣言が発令されました。東京や大阪、福岡などの7都府県で、これまで以上の自粛生活が始まっています。

とはいえ、その骨子が不要不急の外出自粛を求めるという「お願い」であることは、今までと変わりません。欧米諸国が行っているいわゆる「ロックダウン」では、(一部の企業を除いて)出勤停止や在宅勤務の指示がなされていますが、日本ではそうした強制力は伴っていないのが現状です。はたして政府が求める「極力8割の接触減」は実現できるのでしょうか。

「感染拡大防止のカギは若者」で火がついた

お願いベースだと、どうしても世代による価値観の違い、あるいは1人ひとりの置かれている状況によって、その温度感には当然ながら差が出ます。国民が一丸となって取り組む命題にもかかわらず、お願いでは世代間の分断や対立を助長し、社会の混乱を招くとする声も絶えません。

とくに若年層の規範意識の低さを報じるメディアが3月後半から目立つようになってきました。テレビの情報番組では、外出自粛要請が出ている中、桜並木で知られる東京・目黒川近辺や渋谷のスクランブル交差点といった都内の繁華街にいた若者へのインタビューが連日のように映し出されました。

「来週には散っちゃうので、今日来るしかないと思って来ちゃいました」

「来年でもいいけど、今年見たいっていうのがありますね」

「卒業旅行でホテルとかも全部取っちゃったんで」

「パンケーキ食べに来ました。空いてるかなと思って」

こうした無自覚なコメントがズラリと並び、外出自粛要請が出ていることについても「何とも思わなかった」「深く考えたことなかったです」と答える若者たちが大半でした。

そもそも、若者の行動が注視されるようになったのは、政府の専門家会議が3月2日に開いた会見での、「感染拡大防止のカギを握るのは若者だ」という発言がきっかけです。症状がなくても人にうつすケースもあり、自分が「うつらない、うつさない」予防が必要と指摘されたにもかかわらず、不要不急の外出自粛を呼びかけてもなかなか声が届かない。そうした苛立ちが、若者に向けられるようになったのでしょう。

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