デマで買い占めに走る人が何とか拭いたい恐怖

何がパニックの引き金になってもおかしくない

2020年2月29日、東京都内某所のドラッグストアで見かけた光景。新型コロナウイルス感染拡大のパニックにより、トイレットペーパーを求めて長蛇の列ができていた(東洋経済オンライン編集部撮影)

ついに新型コロナウイルスの感染拡大に伴うデマがわたしたちの生活を直撃した。

「中国から原材料が輸入できなくなり、近いうちにトイレットペーパーがなくなる」

デマが急速に広がった。まずインターネットや口コミで誤った情報をうのみにした多数の人々がトイレットペーパーの買いだめに走り、次にそれらの騒動がテレビなどによって盛んに報道されたことをきっかけに、今度はトイレットペーパーの不足が深刻化することを恐れた人々が殺到したのである。

デマとわかっていても血眼になって買い占め

デマが原因と理解したうえ上で、デマに踊らされた人々から「自分の取り分」を守ろうと血眼になった。虚偽の物資不足予測から現実の買い占めが誘発され、その買い占めに対抗する買い占めが誘発される不安の連鎖反応となった。

トイレットペーパーやティッシュペーパーだけでなく、地域によっては紙オムツやペットシーツまでもが売り切れ・品薄状態になっている。また、カップラーメンやレトルト食品、お米などの食料品を買い占める現象までが起きており、新型コロナウイルスの流行に伴う社会不安がわかりやすい形で顕在化し始めたようだ。

「国民の劣化ぶり」や「情弱(情報弱者)ぶり」を嘆く声が聞かれるが、1973年に石油危機を背景にしたトイレットペーパーの買い占め騒動があり、近年も2011年の東日本大震災直後の放射能パニックや、2019年の台風19号の上陸前の被害予測を懸念した人々による物資の買いだめがあった。

筆者は、2月18日に東洋経済オンラインで「新型コロナのデマに踊る人々に映る深刻な錯乱」という記事を執筆し、真偽不明の情報やデマの拡散について注意を促した。しかし、いよいよ日常生活に支障を来すレベルに達したといえる。

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