新型コロナウイルスをめぐってはイベントなどの自粛要請、全国的な休校要請を起点にしたさまざまな影響が広がる。中国人でにぎわってきた街は、訪日観光客の激減に加え、日本人消費者の外出自粛やイベント中止、自粛ムード。
具体的な数字が出始めるのはこれからだろうが、売り上げ半減というのが現場の飲食店、販売店の実感のようだ。経産省も資金繰り悪化など経営環境の急変への対応策をまとめ、5000億円規模の支援予算を組んでいるが、小規模な店舗などにまでケアが行き渡っていないなどの悲鳴も聞こえる。
一方、危機などによくみられるデマ情報の影響、危機を背景にした便乗商法といった、ある意味“昔ながら”の混乱も多い。
「マスク増産による原材料不足でトイレットペーパーが不足する」というデマをきっかけに紙製品の売り切れが相次ぐなど、ひとことでは全貌を捉えきれないほどの影響が広がっている。
マスク、トイレットペーパーの買い占めによる店頭での品不足は、ティッシュペーパー、生理用品、紙おむつにまで広がっており、物流の乱れから、ネットオークションやフリーマーケットアプリでは高値をつける転売業者も登場している。
これらは新型コロナウイルスを理由に商品やサービスを売り込む便乗商法とも言えるが、便乗商法は多種多様だ。本記事を読んでいる読者は「大丈夫」と思っているだろうが、身近なお年寄り世帯を狙う商法もあり、幅広く注意喚起が必要だ。国民生活センターに入ってくる相談には、おおむね2つのパターンがあるという。
不足する衛生用品の提供を申し出るSMSに注意
最も多いのがショートメッセージ(SMS)やSNSのメッセージ機能などを通じ、感染防止を目的とした衛生用品の配付を行っているという連絡だ。
「新型コロナウイルスによる肺炎が広がっている問題で、マスクを無料送付する。確認をお願いします」
国民生活センターには、中国地方在住の50代女性が持つスマートフォンに、そんなメッセージが届いたという相談がきた。
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