マツダ、27分の超短時間総会でも山積する課題 株主の質問は3つ、開催時間は史上2番目の短さ

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2019年は387人が来場したマツダの株主総会だったが、今年は80人に減った(記者撮影)

コロナ禍で2021年3月期は営業赤字転落も現実味を帯びる厳しい状況だが、マツダの株主総会は拍子抜けするほどあっさり終了した。

6月24日に広島県の本社で開いた総会の来場者は80人と2019年から約8割減った。それもあってか、質問数は3問で開催時間はわずか27分。記録が残る中では1982年の23分に次いで2番目に短い総会となった(2019年の総会は1時間53分)。

「コロナ禍の影響で世界の需要がどのように回復するか見通しは極めて不透明。2019年の需要に戻るには3年かかるとの予測もある」。マツダの丸本明社長は新型コロナウイルスの影響について公の場で初めて言及し、厳しい認識を示した。

4~6月の生産は7割以上の減少

新型コロナは生産台数の8割超を輸出するマツダの国内生産を直撃している。ヨーロッパやアメリカを中心とした海外需要の急減で3月下旬から広島県の本社工場と山口県の防府工場で生産調整を開始。4~6月の日本・タイ・メキシコの3拠点での生産台数は合計8万4000台と前年同期の約31万台から20万台以上減った。

経営環境の激変で合理的な算定が難しいとして、マツダは2021年3月期の業績予想を発表していない。だが、総会で丸本社長は業績と配当の予想を第1四半期決算発表(2019年は8月1日に発表)で示す考えを示した。

マツダはコロナ前から不調に陥っている。2020年3月期の営業利益は為替影響もあり、前期比47%減の436億円で2期連続の営業減益だった。

そして販売面でも苦戦した。2019年の春にセダンの「MAZDA3」、秋にSUV(スポーツ多目的車)の「CX-30」と新型車2車種を投入したものの、主要市場のアメリカと中国で振るわなかった。2020年に入ってからはコロナ影響も加わり、2020年3月期の世界販売台数は9%減の141.9万台で着地。当初掲げていた計画から20万台も下回った。

2020年4~6月の減産規模を踏まえると、2021年3月期の世界販売台数は110~120万台の水準にまで落ち込む公算が高い。ブルームバーグ・インテリジェンスの吉田達生シニアアナリストは「(コロナの)第二波や第三波を想定すると販売台数はまったく見えなくなる」と話す。

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