「新型ハリアー」のデザインに見るトヨタの思惑

北米モデルの存在とトヨタマーク採用の意味

7年ぶりにフルモデルチェンジを果たす4代目「ハリアー」(写真:トヨタ自動車)

「ハリアー」はトヨタ自動車の車種の中では、異例の進化をしてきた1台である。

1997年にデビューした初代から海外ではレクサス「RX」として販売しており、日本でもRXが登場したものの、その後もトヨタブランドのSUVとして存続しているからだ。

海外でレクサスとして展開する車種を日本でトヨタブランドで売った例は、「LS」と「セルシオ」、「IS」と「アルテッツァ」など数車種あったが、すべて日本でレクサス版が発表されるとトヨタ版は販売を終了していた。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

ところがハリアーの場合は、2009年の3代目のモデルチェンジを機に日本でもレクサスRXに切り替えつつ、2代目をハリアーとして継続販売した。

それだけ根強い人気があったからだろう。その後も堅調に売れ続けたことから、トヨタはハリアーをRXと切り離し、日本専用車種として進化させることを決断。2013年にレクサスRXとは異なる3代目を送り出したのだった。

4代目はより「ワイド&ロー」に

3代目は、前後のウインドーを強く傾けたクーペのようなフォルムは継承した一方で、ボディサイズやエンジンの排気量を日本市場に合わせてダウンサイジングし、フロントマスクは、レクサスとのつながりがなくなったことで、スケルトン風グリルを採用。こうした成り立ちが我が国のユーザーに評価された。

2013年に登場した3代目「ハリアー」(写真:トヨタ自動車)

モデル末期に入った2019年も、月平均で約3000台を販売していたのは、根強い支持を受けていた証拠だろう。

そのため、2020年4月13日に発表し、6月中旬に発売するという4代目も、過去2世代で確立した雰囲気を受け継いでいる。ただし、3代目と新型を見比べると、安定感が増したと感じる。これはボディサイズの違いが関係している。

新型ハリアーのボディサイズは全長:4740mm×全幅:1855mm×全高:1660mmで、現行型より15mm長く、20mm幅広く、30mm低くなっている。ワイド&ローは昔から、自動車のスタイリングに安定感を与える技として多用されてきた。その手法を新型ハリアーも取り入れたのだ。

次ページ水平基調から躍動感のあるデザインへ
自動車最前線の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 世相をリアルに映し出す 流転タクシー
  • 子どもを本当に幸せにする「親の力」
  • 財新
  • インフレが日本を救う
トレンドライブラリーAD
人気の動画
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
ラーメン店の倒産ラッシュが必然でしかない事情
ラーメン店の倒産ラッシュが必然でしかない事情
攻撃的な人の態度を軟化させる絶妙なワザ
攻撃的な人の態度を軟化させる絶妙なワザ
都心vs. 郊外 家を購入するならどっち?
都心vs. 郊外 家を購入するならどっち?
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
人材戦略から儲けのからくり<br>まで コンサル全解明

人材の争奪戦が過熱し、年収水準もうなぎ登りに。デジタル化を背景にコンサルティング業界は空前の活況を呈しています。本特集ではコンサル業界の動向やビジネスモデルを徹底解説。コンサル会社を賢く選び、上手に活用していくノウハウを紹介します。

東洋経済education×ICT