ライズ激売れで、ヴェゼルやC-HRが苦戦する訳 ダイハツがトヨタに供給するSUVが絶好調

拡大
縮小
2019年11月に発売されたトヨタの新型SUV「ライズ」(写真:トヨタ自動車)

2020年1月と2月の国内販売データを見ると、両月とも2019年11月に発売されたSUVのトヨタ・ライズが小型/普通車の販売1位になった(2020年3月はSUVカテゴリーの販売1位)。

ちなみに最近の小型/普通車の年間販売1位は、2017年がハイブリッド車のトヨタ・プリウス、2018年は日産ノート、2019年は再びプリウスであった。ノートもe-POWERの販売比率が70%を占めるため、全般的にハイブリッドの人気が高い。同じくハイブリッドのトヨタ・アクアも好調だ。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

この流れを考えると、SUVのカテゴリーに属するライズが売れ行きを伸ばしたことは注目に値する。SUVのトヨタC-HRも月別の登録台数で1位を取った経験はあるものの、2017年4月のみで、2カ月連続には至っていない。ライズの好調はSUVの快挙といえそうだ。

またライズは、ダイハツが開発と製造を行ってトヨタに供給するOEM車になる。OEM車が小型/普通車の販売1位になることも珍しい。

売れ行きの変動が大きいSUV

ライズが好調に売れる一方で、2017年と2018年にSUVの販売1位になったC-HR、2013年に登場して安定的に高い人気を保ってきたホンダ・ヴェゼルは、ライズと同様のコンパクトSUVでありながら登録台数を下げている。

横から見た「ライズ」(写真:トヨタ自動車)

つまりプリウス、ノート、アクアなどが安定的に高い売れ行きを維持するのに比べて、SUVは変動が大きい。ライズが販売1位になった背景にも、浮き沈みの大きなSUV特有の事情が絡む。

トヨタの販売店に尋ねると「ライズはトヨタ以外のメーカーを含めて、さまざまな車種のお客様が購入している。愛車の車検が残っていても乗り換えることが多く、発売直後に需要が集中した。そのためにライズの納期は、3カ月から4カ月と長い」という。トヨタの発表によると、ライズは2019年12月4日の時点で3万2000台を受注したが、これも発売直後に需要が集まった結果だ。

次ページC-HRにも同様の傾向があった
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT