新型「アコード」は、なぜクーペ風になったのか

ホンダがセダンをファストバック化する理由

10代目「アコード」は「EX」のみのワングレードで2020年2月に発売(筆者撮影)

2月21日に発売されてはいたものの、新型コロナウイルス感染拡大もあって、実車に触れる機会がなかったホンダ「新型アコード」にようやく試乗できた。

新しいアコードは、セダンでありながらエンジンルーム、キャビン、トランクルームを造形的に分けた3ボックスではなく、ルーフからリアエンドにかけてなだらかなスロープでつないだ、クーペを思わせるファストバックスタイルを採用している。

ホンダの現行セダンでファストバックを最初に取り入れたのは、2016年発売の燃料電池自動車「クラリティFUEL CELL」で、翌年にシビック、次の年にはハイブリッド車の「インサイト」にもこのスタイリングを導入した。

アコードよりひと回りコンパクトなハイブリッドセダン「インサイト」(筆者撮影)

アコードもその仲間入りを果たしたことで、現在ホンダのセダンでオーソドックスな3ボックスを採用するのは、最上級の「レジェンド」と唯一の5ナンバーである「グレイス」だけになった。

ただし、ホンダはかつても、シビックとアコードの中間車種として1980年に送り出した「クイント」や後継車の「クイントインテグラ」、2009年に登場した先代インサイトなどを5ドアのファストバックセダンとしていたし、燃料電池自動車は先代にあたる「FCXクラリティ」のプロトタイプが登場した2005年からファストバックだったので、違和感は抱いていない。

課題はユーザーの高齢化

今回は東京都内で試乗後、開発責任者の宮原哲也氏と電話で意見交換もできたので、まずファストバック化の理由を伺った。

「アコードはこれまで良心的なセダンとして支持されてきましたが、ユーザーの高齢化が進んでおり、若い人から見てもカッコいいと感じる姿を考えた結果、ファストバックになりました」(宮原氏)

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ホンダの狙いは的中しており、昨年1年間で26万台を販売した北米では、ユーザーの平均年齢が50代中盤から40代中盤に下がったとのこと。21万台を売って初めてこのクラスのベストセラーになった中国のユーザー層はさらに若く、平均年齢は30歳を切っているという。

ボディサイズは全長4900mm×全幅1860mm×全高1450mmで、日本の道では大きいと感じるものの、旧型と比べると長さは45mm短い。一方で幅は10mm広く、高さは15mm低くなっており、いわゆる「ワイド&ロー」のプロポーションになったことも、北米や中国での好評に貢献しているのだろう。

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