2020年4月に施行された改正道路交通法(車両の運転者などが道路で順守すべきルール)と、改正道路運送車両法(運送車両の保安基準など)にSAE自動化レベル3に関する文言が織り込まれた。2019年6月に公布された内容が精査のうえで施行されたわけだ。これまでの上限であったレベル2を超えたレベル3容認が今回の改正におけるポイントである。
これを受け、5月12日に行なわれたホンダの「2019年度決算説明会」において、八郷隆弘社長は、自動化レベル3技術を搭載した車両の市販化に対し、「高速道路における限定された条件下でのアイズオフは技術的に確立できた。2020年内の発売に向けて準備中だが、お客様に正しく使っていただくためになにをお伝えすべきか検討中」と語った。つまり、社会受容性を高めるために時間が必要だと明言したわけだ。
6段階に分類される自動化レベル
ここでの「アイズオフ」とは、システムが正しく機能している際に目線を前方から外した状態での運転操作を意味する。自動運転技術を説明する同類項の言葉として、ステアリングから手を放す「ハンズオフ」、アクセル&ブレーキペダルから足を放す「フットオフ」がある。
自動化レベルについてはここ数年、各所で触れられている通りレベル0~5の6段階に分類され、現在もその定義に変わりはない。
ITS(Intelligent Transport Systems/高度道路交通システム)の国際標準化組織である「ISO/TC204におけるWG14」では6段階のSAE自動化レベルを受け、さらに0~8の9段階に細分化し、より明確な標準化を目指した時期もある。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら