これを一段下の自動化レベル2の運転支援技術である日産スカイラインが搭載する「ProPILOT2.0」で考えてみる。
以前、筆者が東洋経済オンライン「自動車最前線」に寄稿した「スカイライン」に乗って感じた自動運転の進化」にあるように、限定条件下においてハンズオフ&フットオフ走行ができるが、実際のところは「ハンズオフ&フットオフ走行ができるくらい精度の高い運転支援が受けられる」との解釈が正しく、システム設計時に想定していない事象(≒システムの機能限界)までには残念ながら対応できない。
この点は日産も正しく周知すべくWebサイト上で、「~また、プロパイロット 2.0は、側方にいる車両に反応しません。合流部、カーブを走行するとき、また大型車両が隣の車線を走行しているときは特に周辺車両に注意し、必要に応じてハンドル操作をしてください」(原文一部抜粋)と明確に機能限界を示し、ドライバーがつねに自車周囲に注意を払い、必要に応じて運転操作が不可欠であると明文化する。
システムによる自動停車機能
レベル3搭載車には幾重もの安全策、フェールセーフが設けられている。その1つがシステムによる自動停車機能だ。
一定の条件から外れる場合にその旨が自動化システムからドライバーへ知らされ、運転操作の権限がドライバーへと戻されるわけだが、その自動化システムからの呼びかけに応じず、ドライバーによる運転操作が再開されない、またはできないと車載のドライバーモニターカメラなどから判断された場合には、最大で30秒以内に規定の減速度を伴いながら同一車線内に停止する。この安全策は国土交通省が策定した「ドライバー異常時対応システム」に準じていて、すでにProPILOT2.0や、レクサス「LS」、大型観光バスなどにも搭載されている。
そうしたなか、筆者は以前、ホンダが研究開発を進めている自動化レベル3相当の技術を搭載するプロトタイプ(研究車両)にテストコースで試乗する機会を得ていた。
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