緊急事態宣言に伴う外出自粛、訪日外国人客の急減、米中など世界の工場の一時停止――新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で、年初から企業活動に大きな打撃が加わっている。
国内では5月25日、最後に残った5都道府県に発令されていた緊急事態宣言が解除され、外出自粛や休業要請は徐々に緩和しつつはある。ただ、第2波への懸念が根強く残っているほか、北米や南米などいまだ感染が拡大している国もあり、企業活動が従来の水準に戻るには時間がかかりそうだ。
こうした危機的な状況下で重要性が高まるのが、企業が保有する「キャッシュ」である。新型コロナの影響で売り上げが大きく減る中でも、買掛金などの営業債務や従業員の人件費など、固定的な支払いは継続する。また、コロナ後を見据えて攻めの投資に打って出るためにも、手元の資金がものを言うことになる。
現預金と株が月商の何カ月分あるか?
6月26日(金)に発売された『会社四季報』(2020年3集夏号)では、金融など一部業種を除く全上場企業を対象に、手元資金の潤沢さを計る指標となる「手元流動性比率」と「ネットキャッシュ」(いずれも直近決算期末時点)を算出。企業ごとにその数値を掲載している。
「手元流動性比率」とは、保有する現預金に株など短期保有有価証券を加えた手元流動性が平均月商の何カ月分あるかの倍率を示し、基本的にはこの数値が大きいほど手元資金に余裕があることを示す。一方、「ネットキャッシュ」とは、手元流動性から有利子負債などを引いた額で、企業が自由に使えて、返済する必要のない手元資金を意味する。
今回はこのうち「手元流動性比率の大きい企業」トップ50のランキングを掲載した。なお、研究開発主体のバイオベンチャーなど、平均月商が少ないことで手元流動性比率が高い数値となることもあるため、直近決算期の平均月商が10億円以上という条件を置いている。
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