マツダ、27分の超短時間総会でも山積する課題 株主の質問は3つ、開催時間は史上2番目の短さ

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先行きを憂慮した株主からは「2020年3月期の配当性向が(181.7%と)高い。個人的にはマツダのブランドを残して欲しい。そのためにもキャッシュフローが必要。2021年3月期の配当は減らした方がいいのではないか」と増配ならぬ減配の”提案”が出た。

丸本社長は、「(2020年3月期は)大幅な減益となったが、営業利益は黒字で配当可能な利益水準を保持していることから、予定通りの配当を提案した」と説明。そして、キャッシュフローを懸念する株主に対し、「コロナ影響による大幅な販売減を鑑み、主要行から合計2900億円の資金調達をしており、当面の資金に問題はない」と述べた。

2020年3月末時点の手元資金(現預金及び短期有価証券)は5689億円で、平均月商(約2900億円)の2カ月分ある。それに加えて、新たに2900億円の借入れを行ったことで、平均月商の3カ月分まで手元資金を積み増した格好だ。手元資金を増やしたうえで、「地元の取引先とは資金繰りや雇用維持の協議を継続的に進めている」(丸本社長)として、サプライチェーンの維持にも力を入れる。

中期経営計画の数字も見直し

マツダは2019年11月に新しい中期経営計画を発表したばかり。だが、コロナ禍で前提となる経営環境が大きく変わった。

丸本社長は総会で「需要見通しが不透明で、中計も向こう1、2年は厳しく見ざるをえない」と説明。2025年3月期に目標とする約180万台の世界販売台数や約4兆5000億円の売上高について、規模やタイミングを見直す。新たな方向性は第1四半期決算に合わせて説明するとした。

マツダが2019年の東京モーターショーで世界初公開した初の量産電気自動車「MX-30」(撮影:尾形文繁)

2020年はマツダとして初の量産電気自動車「MX-30」を秋からヨーロッパに投入する予定で既に日本で生産を始めているが、マツダ系の1次部品メーカーによると、その規模は月産1000台程度。2020年は全面改良予定の車種はなく「販売の起爆剤は当面期待できない」との声がマツダ系のサプライヤーから多く聞かれる。

国内生産は7月から夜勤が再開。生産台数は6月が前年比4割程度に対し、7月は約6万8000台と同8割程度まで回復する見通しだ。マツダ向けに部品を生産する広島県内の部品メーカー社長は、「ひとまず安心しているが、まだ(サプライヤーに)年間の生産計画が示されていない。コロナの第二波が本格的に来たら、再び減産を強いられることになる」と懸念を口にする。

実際、アメリカの南部や西部で新型コロナの新規感染者数が再び増加するなど第二波のリスクは高まっている。

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