マツダ3、日米欧の「ユーザー評価」で見えた価値

高価な新技術「SKYACTIV-X」の評価点とは

SKYACTIV-Xを搭載する「マツダ3」(筆者撮影)

先頃、「マツダ3」が2020年「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。マツダのモデルが同賞を受賞するのは、2016年の「マツダ ロードスター」以来、4年ぶり2度目とのことです。

賞のタイトルにあるように、デザインが評価されたマツダ3。日本市場においてもそのデザインを称える声がある一方で、鳴り物入りで登場した直列4気筒2.0リッターガソリンエンジン「SKYACTIV-X」の評価が、今ひとつ定まりません。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

「車両価格が高い」「標準車と比較して性能がそれほど向上していない」という意見もみられます。

本稿では、そうした意見を踏まえ、日・米・欧におけるマツダ3の市場評価や、執筆時点(4月17日)においてSKYACTIV-X搭載車を販売している、日・欧でのユーザー評価を検証しました。

価格差が少ないヨーロッパ仕様

日本と同じくSKYACTIV-X搭載車が販売されている欧州市場。実際にそのSKYACTIV-X搭載車を購入された現地ユーザーの声を伺うためにマツダ広報部を通じて取材を行いました。

ヨーロッパ市場におけるSKYACTIV-X搭載車の購買理由(マツダ広報部の回答)
①SKYACTIV-Xの先進技術と良好な燃費数値
②CO2減税メリット(オランダなど。ただし国によって異なる)
③欧州のSKYACTIV-Xではない2.0Lガソリンエンジン(標準車)にもSKYACTIV-Xと同じくM-Hybrid(マイルドハイブリッドシステム)が装着されており、日本と比較して(SKYACTIV-X搭載車と標準車の)価格差が縮小する(≒購入しやすい)ため、価格が購買理由に挙がっている。

①は後述するSKYACTIV-Xそのものの先進技術に加えて、標準車との比較で最大13.3%程度の向上(ドイツで販売されているマツダ3の標準車とSKYACTIV-X搭載車におけるカタログ記載の燃料消費量から計算)が期待できる燃費数値によるものです。

②は燃費数値向上≒CO2低減で得られる減税効果を意味します。オランダはデンマークと並んで車両取得時の税額が高いことで知られていますが、ガソリン車を例にとるとその額は日本の約3.6倍(出典:環境省総合環境政策局)です。

よって、ランニングコストの低減が望める燃費数値が良い車両が好まれ、SKYACTIV-X搭載車はそうした理由からも選ばれています。 

マツダ独自のマイルドハイブリッドシステム「M HYBRID」を採用する(筆者撮影)

③では具体的にドイツで販売されているマツダ3を例に考えます。前述した通り標準車にもマイルドハイブリッドシステムが搭載されており車両価格は2万6790ユーロ(313万3358円)。一方のSKYACTIV-X搭載車は2万8290ユーロ(330万8798円)なので、両グレードのドイツにおける価格差は17万5440円(ユーロ/円為替レートは4月17日時点。VAT19%などを含む)です。

対して日本での標準車とSKYACTIV-X搭載車の価格差は、消費税込み68万2408円で、これはドイツ仕様の価格差からさらに50万6968円ほど高額です。

次ページ日本でSKYACTIV-Xが高い理由
自動車最前線の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 非学歴エリートの熱血キャリア相談
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • 「非会社員」の知られざる稼ぎ方
  • コロナ後を生き抜く
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
地銀 最終局面<br>首相が追い込む崖っぷち

遅々として進まなかった地銀再編。しかし菅義偉首相は明確に踏み込みました。全国の地銀はどう動くのか、現状を徹底取材。今後起こりうる地銀再編を大胆予測。さらにビジネスモデルや行員の働き方にも注目し、地銀が生き残る道について探りました。

東洋経済education×ICT