マツダ3、日米欧の「ユーザー評価」で見えた価値 高価な新技術「SKYACTIV-X」の評価点とは

✎ 1〜 ✎ 49 ✎ 50 ✎ 51 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

最後にSKYACTIV-Xの技術について。

SKYACTIV-Xは、マツダが独自に開発した燃焼メカニズム「SPCCI/スパークコントロールドコンプレッションイグニッション」と、「24V系マイルドハイブリッドシステム」を組み合わせた新世代の内燃機関です。マイルドハイブリッドシステムを搭載していることから、この先の電動化を見据えていることがわかります。

特徴は、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの良いところをあわせ持っている点です。

SKYACTIV-X搭載車のエンジンルーム(筆者撮影)

理想的で無駄のない空燃比(空気14.7:ガソリン1)を2倍以上も上回るスーパーリーンバーン/希薄燃焼(最大36.8:1)として少ない燃料で燃焼させながら、ガソリンを燃やした際の仕事率を向上させるため、エンジン内部の圧縮比をディーゼルエンジン並みの15.0まで高めています。

さらに、ディーゼルエンジンにはないスパークプラグを用いて小さな火種を発生させ、ディーゼルエンジンに近い圧縮着火燃焼を行っています。

こうした新しい燃焼システムにより、動力性能と同時に燃費性能を引き上げることができた SKYACTIV-Xは、SPCCI化によってベースエンジンである直列4気筒2.0リッターガソリンエンジンから、出力で24PS(156→180PS/約15.3%)、トルクでは25Nm(199→224Nm/約12.5%)それぞれ向上。

さらに燃費数値は、FF(前輪駆動)車の場合、WLTC値で15.8km/L→17.2km/Lへと約8.8%伸ばしています。

試乗時に意識すべきたったひとつのポイント

皆さんがディーラーで試乗される際には、ぜひとも次のような運転操作を試していだきたいな、と思います。とても簡単です。

「マツダ3」はアクセルペダルにオルガン式を採用(筆者撮影)

欲しい加速力をイメージした最初のアクセル操作を行ったら、そのままの開度を保ってください。たったこれだけです。

試乗となると、走行性能をいち早く試そうとアクセルペダルを強く踏み込みがちですが、そこをグッとこらえてください。SKYACTIV-X搭載車では、このじんわりとしたアクセル操作を心がけるだけで、これまでの2.0Lガソリンエンジンとは違う、ゆとりある加速力が体感できるはずです。

西村 直人 交通コメンテーター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

にしむら なおと / Naoto Nishimura

1972年1月東京都生まれ。WRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)理事。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員。(協)日本イラストレーション協会(JILLA)監事。★Facebook「交通コメンテーター西村直人の日々

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事