日本での価格差が大きい理由は、「日本仕様の標準車には高額なマイルドハイブリッドシステムや電子制御ブレーキが装着されないこと、標準装備類に違いがあること」(マツダ広報部)が大きな理由です。
ただ、それにしても腑に落ちない部分が残るかもしれません。そこで日本とドイツにおける価格差に目を向けてみます。SKYACTIV-X搭載車の場合は、ドイツ仕様が7万1665円安価です。
SKYACTIV-Xは、日本の広島工場で製造しているため、日本からの輸送費がかかっているにもかかわらず、ドイツ仕様が安価であることには、いささかの疑問が残ります。
しかし、そこには為替レートが介在し、細かくみれば装備内容にも若干の違いがあるためで、この先も価格変動は発生すると考えられます。
この日本とドイツによる価格差ですが、標準車で比較すると日独で立場が逆転、今度は日本仕様が43万5503円も安くなります。「日本のSKYACTIV-X搭載車は高い」という声は事実ですが、一方で標準車は装備に違いがあることから40万円以上も安価であるわけです。
つまりマツダは、どの販売地域であっても、必要な部品を装備することで車両価格を決定するという、極めて一般的な手法をとっていることがわかります。
SKYACTIV-Xが存在しない北米市場
次に北米市場におけるマツダ3のユーザー評価はどうでしょうか? 同じくマツダ広報部に取材を行いました。
①ステアリングフィール・レスポンス |
②エクステリア・インテリアデザイン |
③シートの座り心地 |
④乗り心地 |
⑤質感の高さ |
⑥静粛性の高さ |
①~⑥の理由は、ほぼ日本でのコメントに近く、また欧州でも同じような意見がみられるとのこと。よって車両単体での評価ポイントは各国各地域で近いと判断できます。
執筆時点では、北米仕様のSKYACTIV-X搭載車は存在しません。この点をマツダ広報部に取材すると「北米のSKYACTIV-X搭載車の導入については、ビジネス環境と市場ニーズを勘案して、導入タイミングを検討中」とのことでした。
ここまで日・米・欧におけるマツダ3、ならびに日・欧でのSKYACTIV-X搭載車について実状を捉えたわけですが、マツダ3単体としての評価は各国で高くことがわかりました。また、日本市場の標準車については、競合車との比較において車両価格は明らかに高めです。
しかし、各社のWebサイトなどで「購入シミュレーション」を試してみるとわかりますが、マツダ3は標準装備の内容が競合車よりも充実していたり、衝突被害軽減ブレーキなど先進技術の性能が高く、予防安全性能アセスメントの結果が良好であったりするなど、高価である理由がうかがえます。
事実、マツダ3の1.5リッターモデルで装備を揃えて競合車比較を行うと、ほぼ横並びになります。
それでもなお、SKYACTIV-Xの存在価値が見出せないという意見があるかもしれません。その際は、ぜひともディーラーで試乗され、価値を発見していただきたいと思います。
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