「MX-30」に感じるロータリーエンジンの未来

技術革新でみえてきた21世紀の新しい形とは

2019年の東京モーターショーで世界初公開されたマツダのBEV「MX-30」(写真:マツダ)

電動化車両のうち、とりわけBEV(電気自動車)は世界各国でのCO2排出量規制や燃費規制、さらには環境課題に対するひとつの解として期待が寄せられている。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

われわれユーザーからしてもBEVはわかりやすい。運転操作に対し即座に反応、グッとくる力強い加速は新鮮で、一転、滑らかに走らせることも容易。手法に応じて発電時のCO2は発生するものの、走行時にはCO2を排出しないから効率良く乗りこなせば効果的な環境対策にもつながる。と、ここまでは誰もが認める正論だろう。

電気自動車と内燃機関の共存

ただし、BEVがこの先の乗り物文化にとって唯一にして最高の解決策ではない。ICE(内燃機関)との共存策が不可欠だ。BEVはモーターなどを搭載した電動化された車両なので「電動化車両」とも呼ばれる。そしてこの電動化車両には、HV(ハイブリッドカー)、MHV(マイルドハイブリッドカー)、PHV(プラグインハイブリッドカー)、FCV(燃料電池車)なども含まれる。

加えて、BMW「i3レンジ・エクステンダー」に代表されるように、BEVにICEを搭載した、いわゆる距離延長(レンジ・エクステンダー)型BEVも電動化車両だ。i3レンジ・エクステンダーは直列2気筒650ccの二輪車向けに開発されたロータックス社製エンジンを発電用に搭載し9Lのガソリンを燃焼させることで、BEVである「i3」の航続距離をさらに106㎞(カタログ値)エクステンド/伸ばす。

この先、スポーツモデルや大型商用車、特殊車両、価格優先のコンパクトカーなどでは引き続きICEのみの既存モデルが販売されるものの、新たに開発される市販車の多くはこうした電動化車両になる。また、HVにしても補機類やバッテリーなどをコンパクト/小容量化でき(=燃費数値の伸び代は少ないが)安価に販売できるMHVも徐々にその数を増やす。

そうした中、2020年5月19日、マツダの新たなBEV「MX-30」の生産がマツダ宇品第1工場(広島県広島市南区)でスタートした。MX-30は2019年の東京モーターショーで発表された新型車で、全体のシルエットはSUVだがルーフはなだらかな弧を描き、後部ドアが同社のロータリーエンジンを搭載した4ドア・4シーターのスポーツカー「RX-8」のように観音開きとなるなど特徴をもつ。

次ページマツダのレンジ・エクステンダー型BEV
自動車最前線の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 岐路に立つ日本の財政
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • CSR企業総覧
  • 最新の週刊東洋経済
トレンドライブラリーAD
人気の動画
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
ラーメン店の倒産ラッシュが必然でしかない事情
ラーメン店の倒産ラッシュが必然でしかない事情
人望のない人は「たった一言」が添えられない
人望のない人は「たった一言」が添えられない
攻撃的な人の態度を軟化させる絶妙なワザ
攻撃的な人の態度を軟化させる絶妙なワザ
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
漂流する東芝<br>舵取りなき12万人の悲運

再出発したはずの東芝の漂流が止まりません。再建請負人の車谷暢昭社長が電撃辞任。緊張感が増すファンドとの攻防や成長戦略の構築など課題は山積しています。従業員12万人を超える巨艦企業はどこに向かうのでしょうか。

東洋経済education×ICT