「MX-30」に感じるロータリーエンジンの未来

技術革新でみえてきた21世紀の新しい形とは

e-TPVレンジ・エクステンダー版が搭載するロータリーエンジンは、前述のとおり1ローター方式。排気量は公表されていないがRX-8が搭載していた13 B-MSP型ロータリーエンジンよりも少し大きめであると筆者は推察する。

次世代RENESIS(ロータリーエンジン16X)(写真:マツダ)

これは関係者への取材で得られた「新規開発」、「少し大きな排気量」という証言から来ているが、同時にマツダが2007年10月に発表した新型ロータリーエンジン「次世代RENESIS(ロータリーエンジン16X)」の排気量が800ccであること、さらには2013年にマツダが試験車両で公表した「マツダ RE レンジ・エクステンダー」が搭載した330ccの新開発ロータリーエンジン(水平配置で回転軸は鉛直)よりもハウジングが大きいことも裏付けのひとつだ。

対応する燃料の多様性に優れる

ところでマツダは、60年もの間、ロータリーエンジンにこだわり続ける。発端は1960年、当時の東洋工業(現マツダ)社長である松田恒次氏が指揮しNSU社との技術提携交渉にあたったことだ。翌1961年、技術提携交渉の契約が結ばれ、1963年にはマツダにロータリーエンジン研究部がマツダに発足、1967年にはロータリーエンジンを搭載した「コスモスポーツ」が誕生した。

その後、「ファミリア・ロータリークーペ/ロータリーSS(セダン)」、「パークウェイロータリー26(マイクロバス)」、「RX-7(スポーツカー)」などに搭載。そして唯一無二の存在である量産型ロータリーエンジンは2012年6月の「RX-8」の生産終了をもって一度、幕を閉じている。

ロータリーエンジンは対応する燃料の多様性にも優れる。ガソリンのほかLPG(液化石油ガス)、CNG(圧縮天然ガス)、H(水素)の燃焼が可能だ。数ある燃料のなかからマツダは、水素を燃料として燃焼させる水素ロータリーエンジンに着目し、第一号車である「HR-X」を1991年に開発。

1993年には「HR-X2」へと進化させると同時に、NA型「ロードスター」にも水素ロータリーエンジンを搭載した実験車を開発する。マツダすでにこの時点で今に通ずる、“走りの楽しさと、環境負荷低減の両立”を目指していた。1995年には実証実験も進み、水素ロータリーエンジンを搭載した「カペラカーゴ」で日本初の公道走行テストを行っている。

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