2003年には水素ロータリーエンジンを搭載した「RX-8」を開発、2006年2月には、水素でもガソリンでも走行できる「デュアルフューエルシステム」を採用した水素ロータリーエンジン搭載車「マツダRX-8ハイドロジェンRE」のリース販売を世界で初めて日本で開始した。
2009年にはマツダ RX-8 ハイドロジェンREで培った技術を、今度はシリーズ式ハイブリッドシステムと組み合わせ「マツダ プレマシー ハイドロジェンREハイブリッド」としてリース販売。
このマツダRX-8ハイドロジェンREとマツダ プレマシー ハイドロジェンREハイブリッドでは、水素を燃焼させた走行時のCO2排出量がゼロであり、NOx(窒素酸化物)もほぼ発生しない。また、ロータリーエンジンは水素とガソリンの燃焼をひとつのエンジンでまかなえるため既存のエンジン部品や生産設備が活用でき、低コストでの実用化が目指せることを実証した。
技術革新で見えてきた将来像
このように、ロータリーエンジンのさらなる可能性を追い続けているマツダが、21世紀の復活劇として選んだのが、本稿でのテーマであるレンジ・エクステンダー役。その理由として、ロータリーエンジンの得意分野であるレシプロエンジンに対して低振動であること、部品点数が少ないこと、重量に対して高出力が得られることなどを掲げている。
一方で、燃費数値では改善の余地があるロータリーエンジンだが、サイド排気による燃焼の安定化や吸排気効率の向上、最適なトロコイド形状(おむずび型ローターが描く曲線)の模索、ローター幅の縮小とそれに伴う熱損失の低減など、技術革新によって将来像がみえてきた。
筆者は、一人のロータリーエンジンファンとしてレンジ・エクステンダー役としての復活を心から応援するが、本音を言えばやはりロータリーエンジンを主役にしたパワートレーンの存在に強く惹かれる。
2015年10月の東京モーターショーで発表したコンセプトカー「MAZDA RX-VISION」(後輪駆動)には、純粋なパワートレーンとして次世代ロータリーエンジンの「SKYACTIV-R」が搭載されていた。しかし、その咆哮を実際に耳にするまでには少し時間がかかりそうだ。
それまではPlayStation4 用ソフトウェア「グランツーリスモSPORT」に加わった、ポリフォニー・デジタルとマツダが共同開発したバーチャルレースカー「MAZDA RX-VISION GT3 CONCEPT」が搭載するSKYACTIV-R 自然吸気 4 ローター・ロータリーエンジンを存分に堪能したいと思う。
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