「MX-30」に感じるロータリーエンジンの未来 技術革新でみえてきた21世紀の新しい形とは

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MX-30については、そのプロトタイプ(研究用実験車)である「e-TPV」の筆者による試乗レポートが東洋経済オンラインに掲載されているのでご確認いただきたいのだが、ここでの文末は「このBEVをベースにロータリーエンジン(新規開発で1ローター方式)を組み合わせた、レンジ・エクステンダー型BEV/プラグインハイブリッド/シリーズ式ハイブリッドシステムが登場する」という情報で結んでいた。

本稿では、このうちレンジ・エクステンダー型BEVについて掘り下げたい。とはいえ、マツダから新たな情報が発信されているわけではなく、筆者が2019年9月に行ったe-TPVの取材、ならびに同年10月に「東京モーターショー」会場で行ったMX-30の取材で得られた情報と、これまで撮影した画像をもとに構成している。

エンジンルームに見る違い

まずはe-TPVのエンジンルームにあたるスペースをご覧いただきたい。

e-TPVのエンジンルーム(筆者撮影)

e-TPVはBEVなのでICEを搭載しておらず、インバーターやパワーコントロールユニットに付随する補機類などが収まるだけで、エンジンルームはガランとしている。ざっくりいって右半分は空きスペースだ。

次にe-TPVレンジ・エクステンダー版のエンジンルームをご覧いただきたい。空いていた右半分のスペースになにやら搭載されているが、これこそマツダが開発した新型のロータリーエンジンだ。

e-TPVレンジ・エクステンダー版のエンジンルーム(筆者撮影)

マツダは2018年10月に行った電動化とコネクティビティの技術戦略と題した「マツダ技術説明会2018」のなかで、「電気自動車は、バッテリーのみで駆動するモデルと、これにマツダ独自の小型・軽量で静粛性に優れたロータリーエンジンを組み合わせ、バッテリーが一定レベルに減ると発電し航続距離を延ばす新開発のロータリーエンジンレンジエクステンダーを搭載したモデルを開発」と公表している。その具現化されたシステムが、e-TPVのレンジ・エクステンダー版が搭載するパワーユニットそのものだ。

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