ボルボの主力モデルであるSUVの「XC60」に、電動化されたパワートレーンが加わった。
「B5」を名乗る追加グレードは、エンジンスターターの代わりにISGM(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター・モジュール)を搭載し、48V系のリチウムイオンバッテリー(0.5kWh)を組み合わせることで電動化が図られた。「マイルドハイブリッドシステム」とも呼ばれるこの電動化システムは、改良型の直列4気筒2.0リッターターボエンジンと組み合わされる。
気筒休止機構や電動制御式ブレーキを採用
これまでも2.0リッターターボエンジンは、ボルボの基幹パワートレーンとしてほぼ全モデルに搭載されてきた。しかし、B5に搭載される改良型2.0リッターターボエンジンは、主力部品を変更していることから、事実上の新型エンジンだ。
電動化による制御の変更/ピストン・シリンダー・シリンダーヘッド・シリンダーブロックの変更/ターボチャージャーの変更/排気システムの変更/エンジンマウントの変更など、部品の約90%を一新(エンジン型式はB420からB420T2に変更)。加えて、8速ATのギア比も全面的に見直されている。
また、改良型には車両負荷や走行状況に応じて4気筒のうち2気筒に対して燃料噴射を停止させる気筒休止機構も盛り込み、巡航時の燃費数値向上を狙う。今回の試乗では、高速道路での80㎞/h巡航時に、気筒休止による燃費数値の向上効果が大きかった。
さらに、電動化に伴う回生ブレーキでの効率を高めるため、一般的な油圧式ブレーキから、ブレーキバイワイヤシステムを用いた電動制御式ブレーキへの構造変更を受けている。このブレーキバイワイヤシステムは、「TWIN ENGINE」と呼ばれるボルボのPHEVモデルがすでに採用しているものと同機構だ。併せて、トランスミッションのシフト方式もボルボのPHEVやXC40などが採用する、シフトバイワイヤシステムへ変更された。
ところで2017年に世界に駆け巡った、「内燃機関のみを搭載した車両を段階的に廃止する」というニュースは記憶に新しいのではないか。
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