ボルボ「XC60 B5」乗って確かめた燃費と走り マイルドハイブリッド化で燃費は向上したのか

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ドイツでは2030年までに、イギリスでは2035年までに、フランスでは2040年までにそれぞれ内燃機関のみの車両を廃止する/すべきである、と当時発表されていた。

ここでの要は“内燃機関のみを搭載した車両を廃止する”とした点。つまり、内燃機関と電動化を組み合わせた「ハイブリッド車」は、それに該当しない。電動化を行えば、(各国の掲げる廃止論はともかくとして)内燃機関を搭載した車両の販売はこれまで通り行える。

とはいえ、新型車すべてにトヨタ「プリウス」に代表されるようなフルハイブリッドシステムを搭載するわけにはいかない。自動車の電動化で要となる部品は、大きく分類してモーター/バッテリー/パワーコントロールユニット(インバーター)の3点だが、いずれも高額であるため車両価格を大きく跳ね上げてしまうからだ。

そこで多くの自動車メーカーが採用した手法が、マイルドハイブリッドシステムである。小さく安価なモーターやバッテリーで対応可能であることから価格競争力も担保される。

燃費向上は理論上10~15%

ボルボはISGMで電動化を図った。エンジンクランク軸とベルトを介して直結されたISGMは、エンジン始動/駆動補助/48Vバッテリーへのエネルギー回生、そして発電機としての機能を有し、燃費数値の向上や走行性能の改善を狙う。

もっとも、フルハイブリッドシステムに比べて燃費数値の伸びしろは少ないが、それでも理論上(カタログ記載の燃費数値ではない)は10~15%程度の向上が見込める。また限定的な性能向上とはいえ、安価でスペース効率も高いことから、マイルドハイブリッドシステムは電動化パワートレーンの普及型としてこの先も数が増えていくと予測される。

ちなみに、日本におけるマイルドハイブリッドシステムは、量産市販車において20年ほどの歴史があり、たとえばトヨタでは2001年にマイルドハイブリッドシステム「THS-M」を「クラウン」に搭載している。THS-Mは鉛バッテリーを用いて昇圧した36V系システムを直列6気筒3.0リッターエンジンに組み合わせたものだった。

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