試乗したXC60 B5が搭載する改良型エンジンは250PS/350Nmの出力/トルクを発揮。そこにISGM(13.6PS/40Nm)が加勢する。
真っ先に気になるのが、マイルドハイブリッドシステムによる燃費数値の向上だろう。
XC60 B5のWLTCモード値は11.5km/L。対する従来型は、計測モードが違い良好な数値を記録しやすいJC08モード値で12.6 km/Lだった。比較しやすいようにWLTCに換算すると13.2 km/L(ボルボ広報部による補正目安)になるから、改良型はざっと4.7%の向上した計算になる。しかし、実際の伸びはもう少し大きかった。
筆者が試乗した174.1㎞で記録した値は、一般道路での渋滞路含めて13.1km/L(約80%が高速道路区間。平均車速59km/h)。このうち一般道路の計測区間では12~14km/L程度、高速道路では13~18km/L程度と、いずれも従来型を10~15%程度上回ることが確認できた。
静粛性や発進時の振動も改善
燃費数値以上に劇的に向上したのは、走行性能だ。まず、エンジンの音色がまろやかになり、キャビンへの透過音も明らかに小さくなっている。コストのかかるピストンからシリンダーブロックまでを変更した相乗効果は大きい。
また、従来型で気になっていたブレーキのオートホールド機構(ブレーキペダルを放してもアクセルペダルを踏むまでブレーキが作動し続ける)と、アイドリングストップ機構との連携が洗練され、発進時にキャビンに伝わっていた不快な振動が完全に消え去った。ISGMによるエンジン始動にしても、他のマイルドハイブリッドシステム搭載車と同じくスムーズだ。
もっともISGMはエンジン直結の小さな補助動力源だから、エンジン停止状態での走行はできない。
しかし、市街地などで多用する1500回転程度までは、その補助効果によってエンジン負荷が大きく減り、従来型以上にスッと車体が前に出る。筆者の体感では、アクセルペダルとクルマが直結しているようで、それが発進から15km/h程度まで持続しているようなイメージを抱けた。
ボルボは2025年までに世界で販売する車両をすべて電動化するという。今回試乗したISGMによる電動化やPHEVで50%、そして残り50%はEV(電気自動車)で、2021年までには5台のEV(3台はボルボ・ブランド、2台がポールスター・ブランド)を発売する計画だ。
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