まだ社内で気づいていないが、必要なポストを提案する
既存の空きポストに対して応募するのではなく、まだその会社が気づいていない潜在的ニーズを拾い上げて、自分が会社に入ることで、その会社に新しい機能を追加できるとアピールする。
つまり、「まだ社内で気づいていないが、本当は必要なポスト」を提案する力と、自分がそれまでやってきたことを付加価値にして伝える力が必要だ。
どのように伝えるか。
社会人経験を10年、20年と積んできたビジネスパーソンに求められるのは、「マネジメント力」と「実行力」。このふたつをしっかりアピールしなければならない。
「実行力」は、過去の実績や成果をいくつか自分の言葉できちんと説明すれば、伝えることができる。まじめに働いてきたのなら、実績のひとつやふたつ、あるだろうから簡単だ。
一方、「マネジメント力」のほうは、アピールが難しい。これをいかにアピールするか、その会社にフィットするかが、転職成功のカギである。
「マネジメント力」の有無は、質問でわかる
「マネジメント力」をアピールするために何をするか。
まず「履歴書・職務経歴書」について。35歳までは、自分のスキルや能力、やりたい仕事を書けばいいが、35歳以上は、過去の実績と、「私なら、この会社をこう伸ばす」というアピールが必要だ。いわゆる「経営者目線」の施策である。しかも、それが過去の実績の延長線上にあり、確かに実現できそうであることが重要。実績と何の関係もないと、単に横から批評しているだけになり、説得力がない。
次に「面接・面談」について。自分の話をする以上に、相手にビジネスの本質的な質問を投げかけていくことが大事だ。
たとえば、「会社のこれからの展望は?」「会社の強みと弱みは何か?」「10年後を考えたときに、こういうマーケットがあると思うが、それについてはどう思うか?」といった質問をして、相手とディスカッションをしっかりとする。
そういう重要な質問のことを「キラークエスチョン」と呼ぶ。「キラークエスチョン」が次々と出てくることは、「マネジメント力」や経営者目線があることのアピールになるのだ。これは増澤さん自身が会社の社長として、何人も採用面接をしてきたからこそ、断言できる。
「部下をマネジメントして育ててきた人なら、必ず何らかのマネジメント的な視点を持っているはず。自分がこの会社を経営するならどう舵取りをするかを話し、質問をすればいい」
ディスカッションしながら、相手のビジョンやマネジメントに対する考え方を共有できるかどうかを、入社前にすり合わせておくことも大切だ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら