35歳以上の人が、転職に成功する極意 35歳までとは、アピールするものが違う!

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 景気回復ムードの中、転職市場が活況だ。30代以上の即戦力を求める企業が急増し、もはや「35歳転職限界説」はなきものになりつつある。しかも、業種・業界を超えた人材大移動が起きているのだ。盛り上がる転職市場の背景には何があるのか? 中途採用を積極的に行う企業の事情と求める人材像、転職成功者のキャリア戦略を、5日連続特集で紹介していく。
 5日目は、転職と起業に何度もチャレンジしてきた男性に、35歳以上の人が転職に成功するための極意をうかがう。
※1日目 「転職大ブーム!崩れる「35歳転職限界説」はこちら。
※2日目 「大企業の“逸材”がベンチャーに流れ始めた」はこちら。
※3日目 「あの有名企業は、なぜ中途採用に熱心なのか」はこちら。
※4日目 「ミュージシャンからコンサルに転職してみた」はこちら。
鎌倉新書の増澤貞昌さん

ITに軸足があれば、どんな業界でも行ける

増澤貞昌さん(40歳)の転職歴は、途中の起業を含むユニークなものだ。大きな軸はITだが、さまざまな分野で活動してきた。「基本的にずっとITのことしかやっていない。所属する場所や仲間が変わっているだけ」と話す。そのキャリアは以下のとおり。

  • 1997年(23歳) 京都大学農学部卒業。在学中にプログラミングにはまる。
  • 1997年(23歳) リクルートに入社。モバイルサイトを立ち上げる。
  • 2000年(26歳) ギガフロップスを創業。モバイルポータルサイトを運営。
  • 2003年(29歳) ギガフロップスをサイバードに売却。サイバードに入社し、海外事業部で海外のIT系企業のM&Aを担当。
  • 2006年(32歳) シゲルを創業。モバイルコンテンツのプロデュースとコンサルティングをする。
  • 2010年(36歳) マッキンゼー・アンド・カンパニーの金田修さん、チームラボの猪子寿之さんとともに、游仁堂(Yoren Limited)を創業。中国でアパレルのECサイトを運営し、日本ではITコンサルティングをする。
  • 2013年(39歳) 游仁堂の役員を退任。次に何をするかをじっくり考える。
  • 2014年(40歳) 鎌倉新書に入社。執行役員として全社のPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)を担当。

 

鎌倉新書は鎌倉ではなく、東京・日本橋にあった

今年1月に転職した鎌倉新書とは、いったいどんな会社なのか。なぜここに40歳で転職したのかは後述しよう。

ITという強みを武器に、モバイル業界、アパレル業界、コンサルティング業界をまたいできた増澤さんは、物事の仕組みを解明するのが大好きだという。

「ポイントカードってこういう仕組みなんだ。アパレル業界ってどうなっているのかな、と勉強するのが楽しい。今はITのない業界なんてないので、ITに軸足があれば、どんな業界でも行ける」

転職の仕組みを解明してみた

この取材にあたり、「転職」の仕組みを解明してきたという増澤さん。「まず35歳を過ぎてからの転職は、35歳までの転職とは根本的に異なる」と話す。

「35歳転職限界説」は崩壊しつつあるが、ミドルと20代の若者では、転職活動の方法を変えなければいけないのだ。

「そもそも一般企業で35歳以上の求人数は少ない。なぜなら、どの会社でも40代、50代はポストの取り合いで、ポストが空いてもすぐに社内の人材で埋まってしまうからだ。わざわざ社外から募集しない」と、増澤さんはクギを刺す。

では、35歳以上は具体的にどうすればいいのか、アドバイスしてくれた。

次ページまだ社内で気づいていないが、必要なポストを提案する
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