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マルイや蔦屋家電が店で商品を"売らない"ワケ リアル店舗2.0という潮流

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  • 永井 孝尚 マーケティング戦略コンサルタント
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GUが昨年、原宿にオープンした商品を売らない次世代型店舗「GUスタイルスタジオ」に、実際に行ってみた。

「次世代型店舗」という割には、意外と狭い。大阪・心斎橋にある超大型店と比べて1/3の面積。でも、品ぞろえはほぼ同じだという。それもそのはず、この店は試着専門の店なのだ。気に入った服はスマホで買う。

準備は簡単。スマホにGUアプリを入れて、ユニクロのネット販売で使っているIDでログイン。これだけだ。

早速、店でいい感じのTシャツを見つけた。Tシャツのタグに印刷されたQRコードをアプリで読み取り、その場でアプリから注文。これで決済は終了である。

翌日、自宅にTシャツが配送された。レジに行列してお金を払い、家まで商品を持ち帰る必要はない。

実店舗の強みとネットの強みの相乗効果を狙う

GU側にとっても、「店は試着のみ。販売はネット」と割り切ることで多くのメリットが生まれた。

店には見本の服だけ置けばOK。商品在庫は不要。狭い店でも、フルラインをそろえられる。広いスペースが必要ないため、原宿のような一等地でも、低コストで店を出店できる。

普通のGU店舗では、店員は品出しやレジ打ちの仕事で忙しそうだ。しかし、この店の店員はお客一人ひとりにつき、接客している。店員が店本来の接客サービスである着こなしアドバイスに集中できるのは、店から品出しやレジ打ちの作業が消えたからだ。

世の中には情報があふれている。そんな中から商品を選んでもらうには、商品を体験できる環境を魅力的にすることだ。そこで、GUは「豊富な品ぞろえ」「コーディネートの自由」「便利さ」の3つをコンセプトに、GUスタイルスタジオをオープンした。

集まった顧客からの情報や生の声は、商品開発・生産・物流などにも生かし、よりお客が欲しくなる商品提供につなげている。

GUはユニクロを展開するファーストリテイリングが運営している。ファーストリテイリングは、顧客が欲しいと思う商品をすぐに商品化して届けられることを目指し、会社を根本から変革するために、有明倉庫に本部を移して「有明プロジェクト」を推進している。GUスタイルスタジオは、有明プロジェクト推進の一環。

GUは実店舗の「接客ができる」という強みと、「豊富な品ぞろえで商品を届けられる」というネットの強みの相乗効果を狙っているのだ。

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【別のアプローチでリアル店舗の可能性を広げる丸井】

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