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マルイや蔦屋家電が店で商品を"売らない"ワケ リアル店舗2.0という潮流

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  • 永井 孝尚 マーケティング戦略コンサルタント
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アメリカでも、b8ta(ベータ)という小売店が急成長している。b8taのミッションはサイトにも書かれている。

『発見のためにデザインされた小売店』(Retail designed for discovery.)

『売ってはいけない』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

ここでは製品の販売試験(ベータテスト)ができる。店内にはドローンや電動スケートボードといったスタートアップ企業が開発した最先端の製品が並び、来店客は製品を体験したり注文したりできる。

b8taも商品を売ることは二の次だ。創業者は「実際に製品を触り体験してもらえるのはリアル店舗ならでは」と考えてリアル店舗を展開し、さらにカメラでデータを収集して、メーカーにフィードバックする仕組みを作っている。メーカーは数日あれば商品を置いてもらえる。顧客の反応はカメラで記録され、データはリアルタイムに取得できる。

本格的なデジタル時代になった今、リアル店舗の新しい役割が見え始めている。

チャネル戦略から見た、リアル店舗の役割とは

顧客への販売経路のことをチャネルという。リアル店舗もネット販売も、チャネルの1つだ。

このチャネルには、3つの役割がある。

 ①物流(商品を届ける)
 ②商流(お金のやり取り)
 ③情報流(商品情報や顧客情報のやり取り)

このうち「売る」のは「物流」と「商流」だ。この2つについては、ネット販売で大部分をカバーできるようになった。しかし「情報流」については、ネット販売といえども完璧ではない。GUや丸井のように、リアルな商品体験は、リアル店舗でしかできない。さらに、蔦屋家電+のように、顧客が言葉でうまく表現できないニーズを汲み取るのは、実際に顧客に接してみないとわからない。

ネット時代の今だからこそ、リアル店舗では「情報流」の役割が増している。そのためには、店の役割を「売る」ことだけにとどめないことも、必要なのだ。

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